オランダに暮らす有名な動物たち

オランダに暮らす有名な動物たち

オランダに暮らす動物たち

湿地と風車、そしてチューリップで有名なオランダ。けれどこの国のもうひとつの顔は、野生動物がのびのびと暮らせる自然豊かな国であること。低地が多くて人の手が加えられた土地が多いとはいえ、その中でたくましく命をつなぐ動物たちがたくさんいるんです。今回はそんなオランダの自然と動物たちの世界をのぞいてみましょう。

 

 

オランダの自然と生態系

干拓の国ならではのユニークな環境と、その中で暮らす生きものたち。

 

湿地と干拓地の広がり

オランダの国土のかなりの部分は海抜ゼロメートル以下。つまり、もともとは海や湖だった場所を人の手で干拓してできた土地です。こうした場所には湿地や運河、湖沼が点在しており、水辺に適応した野鳥や哺乳類がたくさん見られます。

 

森林と砂丘の生態系

意外に思われるかもしれませんが、オランダにも広大な森林沿岸の砂丘地帯があります。たとえば「フェルウェ国立公園」はその代表格で、ここにはシカ類やキツネ、小型の哺乳類などが多く生息。とくに森林は再植林などの努力によって、年々豊かさを増しています。

 

オランダにおける動物文化

自然と人が共に暮らす、オランダらしい動物との付き合い方。

 

自転車と共生する都市の動物たち

自転車大国オランダでは、都市部でも動物たちが顔をのぞかせます。運河沿いには水鳥が多数生息し、公園にはウサギやリスの姿も。人々もそれを当たり前の風景として受け入れていて、「共生」がごく自然に根づいているのです。

 

国をあげての自然保護意識

オランダでは自然保護団体の活動が活発で、干拓地に野生動物を再導入する取り組みも進んでいます。有名なのが「オーストファーダースプラッセン」などの再野生化プロジェクトで、かつて絶滅した動物たちを人為的に戻す実験が行われているのです。

 

オランダに暮らす有名な動物

それでは、オランダを代表する野生動物たちを紹介していきましょう。

 

アカシカ

オランダの森林地帯に生息するアカシカ

 

ヨーロッパでもっとも大型のシカとされるアカシカは、オランダの森の主のような存在です。とりわけ「フェルウェ国立公園」ではよく見られ、運が良ければ巨大な角を持つ雄の姿を間近で観察できるかもしれません。

 

ノロジカ

アカシカよりも一回り小さいノロジカも、オランダの森ではよく見かける存在。警戒心が強くてすばしっこいため、森の中をサッと横切る姿を目撃するのが精一杯かもしれません。でもそのスリムな体と大きな目は、見られるとちょっと嬉しくなります。

 

コウノトリ

湿地に多いのがコウノトリ。オランダではかつて絶滅寸前まで減少しましたが、保護活動が実を結び、近年は各地でその美しい姿が見られるようになってきました。赤いくちばしと脚、堂々とした佇まいが印象的で、「幸運の鳥」としても親しまれています。

 

このようにオランダでは、干拓地や湿地、森林といった多様な自然環境の中で、さまざまな野生動物たちがたくましく暮らしています。人の手が加わった土地であっても、そこに命が息づいている──そんなオランダならではの自然との付き合い方が、未来の生態系のヒントになるかもしれませんね。