フランス王国とフランク王国の違いとは?

フランク王国の最大版図

 

現フランスの国土

 

フランス王国というのは987年に成立し、1789年のフランス革命による中断を経て、1848年(二月革命)に完全に倒されるまで続いた、現フランス共和国の前身となった国家です。対してフランク王国というのは、そのフランス王国の前身となった国家であり、「フランス」の国名は前身国家の「フランク」の語感が変化したものです。

 

フランク王国からフランス王国へ

フランク王国は5世紀後半に成立し、やがては西ヨーロッパ全域に勢力の基盤を固めましたが、8世紀になると領土が西フランク王国・中部フランク王国・東フランク王国の3つに分裂しました。そして一般的には987年、ロベール家のユーグ・カペーが西フランク王に即位、ならびカペー朝が創始して以降の西フランク王国をフランス王国と呼びます。

 

発音の変化

ただし国名の発音が「フランク」から「フランス」に切り替わったのは12世紀頃で、987年の時点で、フランス王国と西フランク王国の区別はなく、この呼び分けは後世に定着したものに過ぎません。「西フランク王国」と「フランス王国」は、歴史学上の別名というだけで、同一の王国と思ってもらって良いでしょう。