陶片追放のメリット・デメリットとは?

陶片追放のメリット・デメリット

陶片追放のメリットは、独裁や権力集中を未然に防ぎ、民主政の安定を保てる点であった。一方、デメリットとして有能な指導者が政争により排除され、国家の利益を損なう危険があった。本ページでは、このあたりの歴史的背景と後世への影響について詳しく掘り下げていく。

陶片追放のデメリットとは?

陶片追放のデメリットを教えてください。

陶片追放は確かに僭主の出現を防ぎ、古代ギリシア民主政の安定において効果はあったかもしれませんが、しだいに政敵を地位から引きずり下ろすための政争の手段として悪用されるようになります。


僭主の典型とされるペイシストラトス(前6世紀頃~前527年)。不法な手段で権力を握った独裁者ではあったものの、善政(農民救済・文化保護など)により彼の治世下のアテナイ経済は安定していた。


本人が独裁者になるつもりがなくとも、その有能さ故に疎まれたり、警戒され追放されることもあったので、アテナイ衰退の一因は、陶片追放により、国の発展に資する人材を切り捨て過ぎてしまったことにある・・・とする説も存在します。


陶片追放の廃止

いずれにせよ陶片追放の利よりも弊害のほうが大きくなったので、紀元前417年を最後に行われなくなり、「僭主の出現を防ぐ」という同様の機能は理性的な弾劾裁判制度にとって代わられるようになりました。