イタリア美術の歴史と特徴とは?

イタリアは歴史的に外からの文化流入がさかんな地域だったので、主役となる美術様式は時代時代で変化しました。イタリアではこれまで、どのような美術様式が勃興し、それぞれどのような特徴を持っていたのでしょうか。

 

 

ローマ美術(前8世紀〜後5世紀)

古代ローマ時代、エトルリア美術、ギリシア美術に大きく影響を受けた美術様式です。彫刻分野ではギリシア彫刻の模倣が大量に製作され、建築分野ではアーチ、ドーム、ヴォールトなどの様式が確立されました。

 

ビザンチン美術(4世紀〜13世紀)

東ローマ帝国で勃興した美術様式です。ギリシア・ローマ美術、ヘレニズム美術の流れを汲みつつ、キリスト教的要素が加味されているのが特徴です。イタリアではビザンチン美術の影響を強く受けたイタロ・ビザンチン様式が誕生しました。

 

ロマネスク美術(10世紀末〜12世紀)

半円アーチやヴォールトといった、古代ローマ建築の影響が色濃く出た美術様式です。宗教美術の作品が目立ちます。

 

ルネサンス美術(14〜16世紀)

古代ギリシア・ローマ文化への回帰、革新的で自由な表現を訴求した美術様式です。(ルネサンスとは「復活」「再生」を意味)最初イタリアを中心に勃興し、その後ヨーロッパ諸国へ広がっていきました。レオナルド・ダ・ヴィンチラファエロミケランジェロなどの天才美術家が生まれたのもこの時代です。

 

バロック美術(16世紀末〜18世紀)

それまでの均衡が意識されたルネサンス美術と打って変わり、ダイナミックで動きのある美術様式です。建築分野では複雑な装飾品が多用され、絵画分野では現実的かつ流動的な表現が強調されるようになりました。

 

ロココ美術(18世紀〜)

ロカイユ装飾(ロココの語源)と呼ばれる曲線多用の装飾が特徴的な様式。ただし、この時期からヨーロッパの美術の中心はフランスなどの他のヨーロッパ諸国に移りました。