ドイツは第一次世界大戦の敗戦国として、ベルサイユ条約にもとづく途方もない賠償金を課せられ、経済的苦境に陥っていました。それでもアメリカなどの援助もあり、20年代半ばから何とか上向きかけていましたが、世界恐慌により再びどん底に落とされてしまいます。
フランスのルール占領を受けてハイパーインフレに陥り、パン1つ買うのに札束をもっていかなければならないほどでした。街には失業者が溢れ、ドイツ経済は大混乱に陥ったのです。
そんな中、社会不安を背景にヒトラー率いるナチスが支持を拡大し、1933年には政権を獲得。ヒトラーはベルサイユ条約を破棄し、再軍備・軍事産業の再開で、雇用を生むことで失業者を減らしました。
その一方で、広大な植民地を保有する英仏など「持てる国」がブロック経済政策に踏み切ったため、「持たざる国」のドイツは貿易で稼げなくなり、「自給自足圏」の確保ために侵略政策を推し進めるようになります。(オーストリア併合、チェコスロバキア併合など)
これがようやく平和路線を歩みだしていたヨーロッパの軍事的緊張を再び高め、ポーランド侵攻を皮切りに、第二次世界大戦の火蓋が切られてしまうのです。
ベルサイユ条約を破棄し、軍拡と侵略政策を推し進めたヒトラー
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