株式投機の過熱、過剰生産、所得格差の拡大、そして国際金融の不均衡が恐慌の背景にあった。アメリカ発の危機が金本位制を通じて世界に拡散した。本ページでは、さらに経済構造の問題や国際情勢との関連などについても詳しく解説していく。

世界恐慌後のドイツの政策
ドイツはナチ党の政権掌握後、公共事業や軍備拡張で失業対策を進めた。ヴェルサイユ条約制限の打破も重要課題とされた。本ページでは、さらに経済回復の手法や政治的影響などについても詳しく解説していく。
ドイツは第一次世界大戦の敗戦国として、ベルサイユ条約にもとづく途方もない賠償金を課せられ、経済的苦境に陥っていました。それでもアメリカなどの援助もあり、20年代半ばから何とか上向きかけていましたが、世界恐慌により再びどん底に落とされてしまいます。
フランスのルール占領を受けてハイパーインフレに陥り、パン1つ買うのに札束をもっていかなければならないほどでした。街には失業者が溢れ、ドイツ経済は大混乱に陥ったのです。
そんな中、社会不安を背景にヒトラー率いるナチスが支持を拡大し、1933年には政権を獲得。ヒトラーはベルサイユ条約を破棄し、再軍備・軍事産業の再開で、雇用を生むことで失業者を減らしました。
その一方で、広大な植民地を保有する英仏など「持てる国」がブロック経済政策に踏み切ったため、「持たざる国」のドイツは貿易で稼げなくなり、「自給自足圏」の確保ために侵略政策を推し進めるようになります。(オーストリア併合、チェコスロバキア併合など)
これがようやく平和路線を歩みだしていたヨーロッパの軍事的緊張を再び高め、ポーランド侵攻を皮切りに、第二次世界大戦の火蓋が切られてしまうのです。
ベルサイユ条約を破棄し、軍拡と侵略政策を推し進めたヒトラー
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