宗教改革も主導した者がルターをはじめ大勢いるので、その目的は十人十色なわけですが、共通する部分はあり、それはルネサンス時代から地続きです。それはカトリック教会からの人間精神の解放を求める闘いであるという点です。
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中世ヨーロッパというのは、カトリック教会が圧倒的な力をもっていた時代で、それによりヨーロッパの宗教的統一が進んだ時代でもあります。
ヨーロッパ中のキリスト教徒をかき集めた十字軍遠征というのは教皇権が頂点に達したことを象徴しており、この結果東方への交易路が開かれ、ヨーロッパの商業的繁栄に繋がっています。
しかし当時のカトリックの唱える神中心の世界観というのは、一般の人々にとっては相当に息苦しいもので、少しでも枠組みからはみ出したものは異端として迫害の対象となりました。「魔女狩り」というのはその最たる例でしょう。
十字軍遠征も成功したのは第一回だけで、第二回以降は失敗続き。呼びかけた教会の威信は低下していきました。
そんな中で、今まで決められた枠組みで息苦しく感じていた人々の不満が、神中心の世界観を否定し、人間性(ヒューマニズム)を肯定するルネサンス文化の開化に繋がるのです。
ルネサンス文化の発展は、「教会のあり方」に対する批判を強め、宗教改革の引き金となります。宗教改革は明確にルネサンスの精神を引き継ぎ展開され、カトリックとの対立の中、多くの犠牲を払いながらも最終的に「信教の自由」の確立に繋がっているのです。
宗教改革を経て、人々の精神的自由が拡大したことで、自由権獲得を求める様々な市民革命の原動力ともなり、「近代市民社会」が形成されていきました。
1789年に勃発し、市民社会の形成に大きく寄与したフランス革命は、反カトリック運動としての性格も含み、宗教改革の延長線上にあったといえる。
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