フランス革命で女性の権利は進展した?

フランス革命では、「女性の権利」に関しても平等化が進んだのでしょうか?

フランス革命の成果として、「天賦人権思想(=人間は生まれながらにして皆平等で、その権利は国家によって与えられたり、奪われたりするものではない)」という思想が広まり、それまでヨーロッパで支配的だった貴族制や身分制といった「アンシャン・レジーム」が打破されたということが挙げられます。この革命により「権利の平等」が進んだことは確かです。

 

一方で「女性の権利」についてですが、古代〜中世ヨーロッパにおいて、女性は法的には奴隷と大差ない存在で、フランス革命後も女性には政治参加の自由も集会結社の自由も認められたわけではありませんでした。フランス革命の中で採択されたフランス人権宣言(正式名称「人および市民の権利宣言」)の、「人」や「市民」に女性は含まれていなかったのです。

 

フェミニズム運動への導線にはなった

しかしフランス革命の中で女性は、ヴェルサイユ行進(1789年10月)で重要な役割を果たし、「フェミニズム運動の先駆者」と言われるオーランプ・ド・グージュのように、女性の権利を訴え、家族の中の男性による女性支配に異を唱える女性も登場しました。

 

フェミニズム運動の先駆者といえるオーランプ・ド・グージュ(1748年〜1793年)。革命を支持していたが、過激派のロベスピエールを公然と批判したため、反革命派とみなされ処刑された。

 

フランス革命は直接的に女性の権利拡大に寄与したわけではありませんが、確かに女性解放運動への導線が引かれたという点はポジティブに評価できると思います。