「パックス・ブリタニカ」の呼称の由来とは?

パックス・ブリタニカ(Pax Britannica)とは、「イギリスによる平和」という意味で、19世紀初頭から20世紀初頭にかけて続いた、イギリスが繁栄の頂点を謳歌した時代のことを指します。

 

この時代は、産業革命で獲得した「世界の工場」と称される圧倒的工業力と、屈指のシーパワーを持つイギリスが、「世界の警察」として機能し、国際秩序が保たれていたのです。

 

古代ローマ帝国のパックス・ロマーナに由来

 

パックス・ブリタニカという呼称は、古代ローマの「パックス・ロマーナ(ローマによる平和)」にちなんだものです。

 

古代ローマはイタリア中部に成立以降、領土拡大を続け、紀元前1世紀末には地中海世界全域やガリアを治める広大な「帝国」に成長。

 

その圧倒的な国力を背景に、2世紀にわたり繁栄と平和を維持していたのです。

 

「パックス」というのは古代ローマの公用語であったラテン語であり、ローマ神話の平和と秩序の女神パクスの名に由来しています。

 

「パックス・ロマーナ」との共通点

パックス・ブリタニカもパックス・ロマーナも、強大な帝国による秩序維持ということ以外に重要な共通点があります。

 

それはその秩序維持には犠牲がつきものであったということです。

 

「ローマによる平和」は常に大量の奴隷の存在に支えられていましたし、「イギリスによる平和」に関しても同じで

 

  • 不平等な自由貿易体制を強制したり
  • アジアやアフリカなど非ヨーロッパ地域に服従を強いたり

 

といったように、圧倒的な海軍力を振りかざした「砲艦外交」により成り立っていた面があったことは忘れてはいけません。