ポーランドの森林事情〜欧州最後の原生林を擁する〜

ビャウォヴィエジャの森に生息する希少種ヨーロッパバイソン

 

ポーランドは国土の3割が深い森に覆われています。有名どころだと、クラクフ=チェンストホヴァ高原のオイツフ国立公園の他、東北部からベラルーシにまたがるビャウォヴィエジャの森は「ヨーロッパ最後の原生林」といわれ、広大な広葉樹が生い茂る、ヨーロッパ屈指の生物多様性を誇る森として知られます。

 

ビャウォヴィエジャの森

位置:ポーランド北東部ポドラシェ県
面積:98,108ha
樹種:広葉樹

 

ビャウォヴィエジャの森は、ユネスコの世界遺産にも登録されている「ヨーロッパ最後の原生林」です。農地の開発や木材のための伐採で、ヨーロッパの原生林はほぼ駆り尽くされたのですが、この森だけは最後の砦として残っており、ヨーロッパバイソンヘラジカなど希少な動物が生息する生物多様性の宝庫として知られているのです。

 

過度な保護に反対する声も?

ビャウォヴィエジャの森が開発されずに残ったのは、かつてポーランドの王族がこの地を狩猟場として保護していたことが背景にあります。

 

しかし近年この森をめぐって、伐採を進めたいポーランド政府と、保護を訴える環境保護活動家や欧州連合(EU)の対立が噴出するようになり、2018年には、欧州司法裁判所が「森の伐採は環境法に違反している」という判決を、ポーランド政府に下したりしているのです。

 

ポーランドの森は、大部分は広葉樹と針葉樹の混交林が占めますが、山岳地帯に限ってはマツやモミなど球果植物も多くみられます。