ブルガリアは、多くの民族、多くの宗教の人々がかかわりあって形成されてきた国です。その歴史は古く、最初にブルガリア帝国が建国されたのは7世紀頃でしたが、そののち東ローマ帝国やオスマン帝国の支配下に置かれた時代もあり、多くの文化が融合するきっかけになりました。それにともなって、ブルガリアの音楽も非常に多様化しながら発展してきています。ここではそのごく一部を紹介します。
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ブルガリアの音楽で最も有名なのは、おそらく女声合唱です。ブルガリアの国立合唱団は、ブルガリア各地の農村などに伝わる伝統音楽を保存するために精力的に活動していて、日本でもコンサートが行われることがあります。合唱の中でもよく使われる、デジタル音のように聞こえることもある不協和音や、奇数拍子の中で作られる複雑なリズムは、オスマン帝国の台頭によって広まった西アジアの音楽文化の影響を受けていると思われます。
ブルガリアの音楽シーンでよく使われる楽器の歴史をみても、ブルガリアの文化の多様性を感じることができます。代表的な伝統楽器のひとつであるタンブラは、合唱や歌の伴奏でよく用いられるものですが、バイオリンなどとルーツを同じくするヨーロッパ生まれの弦楽器です。ガイダはアフリカ大陸にルーツを持つバグパイプ系の楽器です。
また、結婚式などの場では、日本人にもなじみ深いクラリネットやアコーディオンなどの楽器が、ロマ人から伝わったチョチェクと呼ばれるスタイルで演奏されます。
とくにリヨンデフ氏による合唱アレンジ版が有名なブルガリア民謡。
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