古代ローマが繁栄した理由とは?

 

イタリア半島中部のテヴェレ川のほとりの小国に過ぎなかったローマが、地中海世界全域を支配する巨大帝国にまで成長。そして前1世紀の末から200年間、パックス・ロマーナと呼ばれるローマ史上最高の平和と繁栄を謳歌しました。ローマがここまで繁栄した理由を細かく挙げると切りがありませんが、とくに重要なものを3つピックアップします。

 

古代ローマの繁栄を支えた理由3つ

1.征服地に自治を認めた

征服地の民族の生活様式や宗教を保護し、ある程度の自治も認め、同化を強いなかったことで、うまく飼い慣らし、ローマの味方に取り込みました。

 

2.他民族にも市民権を認めた

征服地の民族にも段階的にローマ人としての権利(ローマ市民権も参照)も認めていき、同一国家としての連帯感を生んでいきました。

 

3.インフラ構築に全力を注いだ

「全ての道はローマに通じる」と言われるほど広大な道路網を整備し、連絡網を確保、盛んな交易や有事の際の迅速な対応を可能にしました。(古代ローマのインフラの凄さも参照)

 

大体重要なのはこの3つになります。ただこういった成功例を見て、「古代ローマの繁栄に学ぼう」という筋の話になることがよくありますが、上述した古代ローマの繁栄は、人権を無視され物のように扱われた膨大な数の奴隷の存在があってのものなので、現代社会で安易に称揚しないほうがいいと個人的には思います。