1821年から1830年にかけてのギリシャ独立戦争は、多くの国々の関心を引きましたが、特にロシアのギリシャ支援は顕著でした。なぜロシアはギリシャを支援したのでしょうか？この疑問に答えるためには、当時の国際関係やロシアの国益を理解する必要があります。以下でギリシャ独立戦争におけるロシアの役割について解説します。

 

 

宗教的結びつきと正教会

ロシアがギリシャを支援した主な理由の一つは、宗教的な結びつきです。ロシアは正教会の保護者を自認し、同じ正教会を信仰するギリシャ人に共感を覚えていました。オスマン帝国の支配下で苦しむギリシャ正教徒への同情は、ロシア国内でギリシャ支援の大義となりました。

 

地政学的な利益

ロシアのギリシャ支援には、地政学的な利益も大きく関係しています。オスマン帝国の弱体化は、ロシアの南下政策と地中海へのアクセス拡大の機会を意味していました。ギリシャの独立は、この地域でのオスマン帝国の影響力を削減し、ロシアの地政学的な立場を強化することにつながると考えられました。

 

国際的な情勢と外交政策

また、当時の国際情勢とロシアの外交政策も、ギリシャ支援の背景にあります。ヨーロッパ諸国間の力学と、特に東方問題への関心が高まっていた時期でした。ロシアは、ギリシャ支援を通じて、自国の国際的な地位を高め、他国との外交的なバランスを図ろうとしていました。