ポルトガルは長い歴史を持つ国で、レコンキスタ、大航海時代、カーネーション革命・・・中世〜近代までに体験した様々な出来事は、現代のポルトガル政治体制を形成する上で重要な役割を果たしました。大航海時代の口火を切り、日本含め世界中の国々に多大な影響を与えた、ポルトガルという国の政治史は、ヨーロッパ史、そして世界史を理解する上で、非常に有益な情報だといえるでしょう。

ポルトガル王国の成立

ポルトガルは12世紀に独立国家として成立しました。初代国王アフォンソ1世のもと、レコンキスタ（再征服運動）が進められ、イスラム教徒ムーア人から土地を取り戻し、国土を拡大したことによるものです。

海洋大国時代

15世紀から16世紀にかけて、大航海時代の先駆けとなったポルトガルは、世界各地に植民地を建設しました。これにより、ポルトガルは海洋大国として黄金時代を迎えます。とりわけアジアを対象にした香辛料貿易は、ポルトガルに莫大な富をもたらし、ヨーロッパにおける国際的地位を確固たるものにしました。

スペイン支配時代

16世紀の終わりから17世紀の初めにかけて、ポルトガルはスペイン・ハプスブルク家の統治下に入りました。以来、ポルトガルはスペイン王の下で自治を保つという条件で、事実上スペインとの同君連合を成すのですが、スペインによる圧力と無視が続き、ポルトガル人の不満は高まっていきました。

スペインからの独立

1640年に勃発したポルトガル王政復古戦争により、ポルトガルはスペインからの独立を達成。ジョアン4世が国王として即位し、ブラガンサ家の統治が始まりました。その後も小競り合いは続きましたが、1668年にスペインがポルトガルの独立を認めたことで、正式に戦争が終結しました。

独裁体制からの脱却

20世紀の初め、ポルトガルは共和政に移行しましたが、1932年から1974年まで、アントニオ・サラザールによる独裁体制が敷かれていました。1974年のカーネーション革命により、長年の独裁体制が終わりを告げ、現在に続くポルトガル民主主義が確立されたのです。

現代のポルトガル

現在のポルトガルは、議会民主主義の国として安定した政治を維持しています。しかし、経済問題など慢性的な課題も抱えており、政治がその問題にどう取り組んでいくかが注目所といえそうです。