ウンブリア州の歴史

ウンブリア州の歴史

ウンブリア州は古代ウンブリ人の居住地で、後にローマ帝国に組み込まれた。中世には修道院文化が栄え、アッシジの聖フランチェスコを中心とする宗教運動が広がった。本ページでは、ウンブリア州の歴史的背景や宗教的役割、文化的意義を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ウンブリア州

ウンブリア州の州都ペルージャの自然景観


ウンブリア州(伊:Umbria)は、イタリア中部に位置する州で、国境にも海岸線にも接しない同国唯一の内陸州でもあります。州都はチョコレート製造を伝統とするペルージャ。「緑のハート」の別名を持つ、アペニン山脈山中の自然豊かな地方として知られ、丘陵地を活かしたブドウやオリーブの栽培がさかんに行われています。また州都ペルージャやアッシジなど中世の面影を残した都市が多いことも特徴です。


ウンブリア州の時代変遷


古代

ウンブリア州の地名は、前6世紀頃の古代ウンブリア地方に居住していた「ウンブリイ族」の名に由来しています。ウンブリイ族はエトルリア文字に由来するウンブリア語を用い、前3世紀にローマに征服されるまで独自の文化のもと繁栄していました。


ウンブリア語による前7世紀から1世紀までの碑文が残っており、その中でも前3世紀から前2世紀にかけて書かれたとされる「イグウィウムの青銅板」は有名です。


中世

中世時代は主に教皇領として過ごし、経済的・文化的な繁栄を享受。13世紀にはアッシジにてカトリック教会最大の修道会フランシスコ会が創設され、ルネサンス期にはペルージャにてペルージャ派と呼ばれる絵画の流派が誕生しています。


近代

19世紀後半には教皇領の衰退もあり、イタリア統一運動(リソルジメント)の中、サルデーニャ王国に併合されています。そして翌1861年、サルデーニャ王国後継のイタリア王国が成立し、ウンブリア州も同国の一地方となったのです。