第一次世界大戦のきっかけとなった事件とは?

第一次世界大戦の原因

第一次世界大戦の原因は同盟体制と帝国主義的対立だ。バルカン危機を中心に大国間の緊張が蓄積し、サラエボ事件を契機に爆発したのである。本ページでは、ヨーロッパの国際政治や帝国主義、バルカン問題などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

第一次世界大戦のきっかけとなった事件とは?

第一次世界大戦のきっかけとなったサラエボ事件についてわかりやすく教えてください。

第一次世界大戦の直接のきっかけとなったサラエボ事件とは、オーストリア皇太子夫妻が、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ(当時オーストリア領)の首都サラエボにて、セルビア人の青年に射殺された事件です。


サラエボ事件の背景

青年のバックには南スラブ族の統一を目指す大セルビア主義の秘密結社「黒手組」の存在があり、さらにその背景には19世紀末からのオーストリアのバルカン半島進出とそれに抵抗するセルビア人の民族運動がありました。


1914年7月12日のイタリアの新聞に掲載された暗殺場面の挿絵


この事件は1908年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナがオーストリアに併合され、セルビア人の反オーストリア感情が最高潮に達している時に起こった悲劇であり、皇太子はセルビアとの友好を主張していただけに、国際社会では衝撃をもって報じられました。


開戦へ

そしてセルビア政府は無関係を主張するも、オーストリア政府は聞き入れず、セルビアに宣戦布告。三国同盟・三国協商などの同盟関係を背景に、連鎖反応的に参戦国が拡大していき、世界大戦と呼ばれる未曾有の戦争に発展してしまったのです。