ローマ神話はギリシャ神話の「パクリ」なの?

ローマ神話の主神ユピテルとギリシア神話の主神ゼウスは同一視され、共に雷を司る神とされた。

 

ローマ神話の神々は、ギリシア神話の神々とおおむね同一視されており、エピソードも似通っています。それゆえにローマ神話はギリシア神話の「パクリ」に過ぎないのではという指摘もありますね。この見立ては果たして正しいのでしょうか。

 

 

 

神話から様々な文化が発展

ギリシア神話は、紀元前15世紀頃から始まったとされており、当初は吟遊詩人達が、古くから伝わる神々や英雄の物語を、口承で伝えるというものでした。祭典などで歌われた神話は様々な文化に広がりをみせ、演劇や絵画、彫刻などの題材とされるようになります。

 

ギリシアの文化を吸収するローマ

さらに紀元前6世紀頃になると、それは神話に限らずギリシアの影響を強く受けたローマに継承されました。やがてローマの人々は、ローマ古来の神々をギリシア神話の神々になぞらえ、自分たちの文化として親しむようになったのです。

 

いわゆる悪意ある「パクリ」ではないことに注意

つまり、ローマ神話がギリシア神話に似ているのは、人の心を掴む神話がごく自然と広まり、そこに暮らす人々の中に浸透していったためといえます。そのため、「パクリ」なのかと言えば、全く違うと言い切れない部分もなくはありません。

 

しかし日本にも中国や西洋から紹介され、日本古来のものかのように馴染んだ文化というのは少なくありませんが、それをパクリとは言いませんよね。どこにおいても、文化というのはそうして広まり、定着していくものなのです。

 

ローマ神話固有の物語もある

ギリシア神話とローマ神話を細かく比較すると、神々の性質は対応していても性格がまったく違ったり、どちらかにはない物語があったりと、相違点は多く見つけることができます。中でも、ローマ神話においてもっとも大きな特徴とされるのは、建国者ロームルスの物語です。ローマを建国するまでのアイネイアースやロームルスの伝承は、ローマ神話固有の物語だといえるでしょう。