ギリシャ独立戦争

ギリシャ独立戦争(1821-1829年)は、ヨーロッパ史における重要な転換点でした。この戦争は、オスマン帝国の支配下にあったギリシャが独立を求めて起こした民族解放運動です。戦争の背景には、啓蒙思想の影響とギリシャ古典文化へのヨーロッパ人の関心があり、これがギリシャ人の民族意識の高揚を促しました。戦争はギリシャ本土とペロポネソス半島、エーゲ海の島々で戦われ、数多くの流血の惨事を伴いました。この戦争には、ロードス島出身の詩人ディオニシオス・ソロモスが「自由への賛歌」を書くなど、文化的な側面もありました。ヨーロッパ諸国の支持、特にイギリス、フランス、ロシアの介入が戦争の行方に影響を与え、1827年のナヴァリノの海戦はギリシャの勝利に大きな役割を果たしました。1829年に独立が認められ、近代ギリシャ国家の誕生につながりました。この戦争は、19世紀ヨーロッパの民族主義と独立運動の波における重要な出来事となりました。