ミケーネ文明を担ったのは何人?

ミケーネ文明の民族

ミケーネ文明を築いたのは、ギリシャ系のアカイア人とされる民族だ。彼らは軍事力と交易で勢力を広げ、後のギリシャ文化の基盤を作ったのである。本ページでは、ヨーロッパの民族移動や古代社会、文化形成の背景などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ミケーネ文明を担ったのは何人?

ミケーネ文明って何人による文明なのですか

ミケーネ文明は古代ギリシア人一派のアカイア人が中心となって栄えた文明です。


アカイア人とは

アカイア人はホメロス叙事詩の中で、小アジア遠征(トロイア戦争)に参加した種族として記述され、考古学的には、紀元前2000年頃、南方テッサリア方面からペロポネソス半島に住みつき、ミケーネ文明を興したと考えられています。


アカイア人の小アジア遠征に端を発するトロイア戦争において、都市トロイア(イリオス)が陥落する様子を描いた『トロイアの炎上』( Johann Georg Trautmann作、1759~62)


ドーリア人による征服

アカイア人は前1400年頃にクレタ文明を滅ぼし、後期エーゲ文明の中心を担いましたが、前1300年頃、同じくギリシア系のドーリア人に征服されました。伝説では、一部のアカイア人は小アジアやキプロス島に移住し、イオニア人と呼ばれるようになりました。