欧州連合(EU)加盟国の加盟の順番を表でわかりやすく

欧州連合(EU)加盟順一覧

EU加盟は1957年の原加盟6か国から始まり、拡大を繰り返して現在27か国に至った。加盟順は条約発効年ごとに整理されている。本ページでは、さらに各加盟国の参加背景や拡大の節目などについても詳しく解説していく。

表を使って背景までわかりやすく解説欧州連合(EU)加盟国の順番



欧州連合(EU)というと、「今どの国が加盟しているか」は何となく知っていても、「どの国が、どんな順番で加盟してきたのか」までは、意外と曖昧だったりしますよね。


実はEUは、最初から今の形だったわけではなく、時代ごとに少しずつ仲間を増やしてきました。
その流れを順番で追っていくと、ヨーロッパの政治や歴史の変化が、ぐっと見えやすくなります。


EU加盟の順番は、ヨーロッパ統合がどのように広がってきたのかを知るための、いちばん分かりやすい手がかりです。


このページでは、EU加盟国を年代順に整理した表を使って、流れを一目で確認できるようにしています。
あわせて、各国がどんな背景でEUに加わったのか、そして今後加盟が予想されている国々についても、やさしく解説していきます。


「EUって、いつの間にこんなに大きくなったの?」
そんな疑問を持ったことがあるなら、まずはこの順番から一緒に見ていきましょう。



EU加盟国一覧

国名 加盟年月日 加盟背景
ベルギー 1958年1月1日 欧州統合の中核国として、戦後の平和と経済協力を主導
フランス 1958年1月1日 独仏協調を軸に、欧州の政治的・経済的安定を追求
ドイツ 1958年1月1日 戦後復興と国際社会への復帰を目的に欧州統合へ参加
イタリア 1958年1月1日 経済再建と西欧陣営への明確な帰属を目指して加盟
ルクセンブルク 1958年1月1日 小国として多国間協調による安全保障と繁栄を志向
オランダ 1958年1月1日 自由貿易の拡大と域内市場の形成を重視
デンマーク 1973年1月1日 経済的結びつきの強化と英国加盟に歩調を合わせて参加
アイルランド 1973年1月1日 経済発展と対英依存からの脱却を目的に加盟
ギリシャ 1981年1月1日 民主化後の体制安定と欧州への復帰を象徴する加盟
ポルトガル 1986年1月1日 独裁体制崩壊後、民主主義の定着と経済近代化を目指した
スペイン 1986年1月1日 民主化後の国際復帰と経済成長を目的に加盟
オーストリア 1995年1月1日 冷戦終結後の中立政策見直しと欧州統合参加
フィンランド 1995年1月1日 冷戦後の安全保障と経済連携強化を背景に加盟
スウェーデン 1995年1月1日 経済統合への参加と国際的発言力の強化
キプロス 2004年5月1日 地中海地域での政治的安定と経済統合を志向
チェコ 2004年5月1日 社会主義体制崩壊後、西欧志向を明確化
エストニア 2004年5月1日 旧ソ連圏からの脱却と欧州への完全統合
ハンガリー 2004年5月1日 市場経済化と民主主義定着を背景に加盟
ラトビア 2004年5月1日 安全保障と経済発展のため欧州統合を選択
リトアニア 2004年5月1日 独立後の国家基盤強化と対ロ安全保障
マルタ 2004年5月1日 小国として経済的安定と国際的立場強化を重視
ポーランド 2004年5月1日 冷戦後の欧州回帰と経済成長戦略の一環
スロバキア 2004年5月1日 民主化と市場経済改革の成果として加盟
スロベニア 2004年5月1日 旧ユーゴ圏からの脱却と欧州志向の明確化
ブルガリア 2007年1月1日 政治・司法改革を進め、欧州基準への適合を目指した
ルーマニア 2007年1月1日 体制転換後の制度改革と欧州統合への参加
クロアチア 2013年7月1日 内戦後の安定化とEU基準達成を経て加盟


この記事を執筆している2026年の時点では欧州連合(EU)の加盟国は27か国です。これは、イギリスが2020年にEUを離脱した後の数で、上記は、それを反映したEU加盟国の一覧表です。


ヨーロッパ諸国のEU加盟史

EUの原点としてみるローマ条約(EEC創設)の署名ページの写真

EUの原点・ローマ条約(EEC創設)の署名ページ
1957年に調印されたEEC設立条約の署名欄を写した史料。

出典:『Traite CEE signatures』-Photo by Zinneke/Wikimedia Commons CC BY-SA 3.0


 


EUの歴史は、「拡大の歴史」と言ってもいいかもしれません。
戦争の反省から始まった小さな経済協力が、時代の転換点ごとに意味を変えながら、少しずつ仲間を増やしてきました。


どの国が、どのタイミングで加盟したのか。
そこには必ず、その時代ならではの事情と狙いがあります。


EU加盟の順番は、ヨーロッパが不安と希望のあいだで選び続けてきた道筋そのものです。


ここでは、加盟年ごとに背景を整理しながら、その流れを見ていきましょう。


1958年加盟国|戦後復興と「二度と戦わない」ための結束

国名 ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、オランダ
加盟年月日 1958年1月1日
位置づけ 欧州共同体(EEC)の創設国
加盟の目的 戦後ヨーロッパの平和維持と経済協力の推進
歴史的意義 後のEU統合の基礎を築いた中核国グループ


1958年に誕生したのは、現在のEUの原型となるヨーロッパ経済共同体(EEC)です。
第二次世界大戦の深い傷を抱えたヨーロッパにとって、最優先だったのは戦争を再び起こさない仕組みを作ることでした。


経済を結びつけ、互いに依存する関係になれば、武力衝突は起こしにくくなる。
そんな発想のもと、フランスや西ドイツなどの国々が中心となり、統合の第一歩が踏み出されました。
ここでは「理想」よりも「現実的な平和」が重視されていたのが特徴です。


1973年加盟国|経済成長と市場拡大への期待

国名 デンマーク、アイルランド
加盟年月日 1973年1月1日
位置づけ 第一次拡大国
加盟の目的 域内市場への参加による経済成長と貿易関係の強化
歴史的意義 欧州共同体が創設国以外へ本格的に拡大した最初の段階


1970年代に入ると、EUは平和の枠組みから、より経済的な魅力を持つ共同体として認識されるようになります。
経済成長を続ける共同市場に参加することは、多くの国にとって大きなメリットでした。


この時期の加盟は、政治的理念よりも「経済的合理性」が前面に出てきたのがポイント。
EUが「安全保障の装置」から「巨大な経済圏」へと性格を変え始めた段階と言えます。


1981年加盟国|民主化を後押しする枠組み

国名 ギリシャ
加盟年月日 1981年1月1日
位置づけ 南欧拡大の第一段階
加盟の目的 民主化体制の定着と経済的安定、欧州への政治的回帰
歴史的意義 軍事政権崩壊後の民主国家として、欧州共同体に正式復帰した象徴的加盟


1980年代初頭には、長く独裁体制にあった国がEUに加わります。
ここで重視されたのは、経済よりも民主主義の定着でした。


EUに加盟するためには、民主的な政治体制や人権の尊重が求められます。
つまりこの時期の拡大は、「EUに入ること自体が、民主国家としての証明になる」という意味を持っていたのです。


1986年加盟国|独裁体制からの脱却と「ヨーロッパ復帰」

国名 スペイン、ポルトガル
加盟年月日 1986年1月1日
位置づけ 南欧拡大の本格化
加盟の目的 独裁体制崩壊後の民主主義定着と経済近代化、欧州への政治的・経済的復帰
歴史的意義 南欧諸国の民主化を欧州共同体が後押しし、統合が「価値共同体」として進展した象徴的拡大


1986年にEU(当時はEC)へ加盟した国々は、長く独裁体制や権威主義的な政治を経験してきた国でした。
民主化を果たしたばかりの段階で、「ヨーロッパの一員としてやり直す」ことが、国家の大きな目標になっていたのです。


この時期の加盟は、単なる経済的メリット以上の意味を持っていました。
EUに加わることは、民主主義国家として国際社会に認められることでもあり、国内改革を後戻りさせないための“外部の支え”でもあったわけですね。


1986年の加盟は、EUが経済共同体から「民主主義を支える枠組み」へと役割を広げた象徴的な出来事でした。


1995年加盟国|冷戦終結後の中立国参加

国名 オーストリア、フィンランド、スウェーデン
加盟年月日 1995年1月1日
位置づけ 冷戦終結後の中立国加盟
加盟の目的 経済統合への参加と域内市場への完全参入、安全保障環境の変化への対応
歴史的意義 冷戦構造の終焉を背景に、伝統的中立国が欧州統合へ加わった象徴的拡大


冷戦が終わると、ヨーロッパを分断していた東西対立は急速に意味を失っていきます。
それまで中立を保ってきた国々も、国際環境の変化を受けて、EU参加を現実的な選択肢として考えるようになりました。


この段階では、EUはすでに「特別な同盟」ではなく、 ヨーロッパで生きていくための標準的な枠組みへと成長していたのです。


2004年加盟国|東欧拡大という歴史的転換点

国名 キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニア
加盟年月日 2004年5月1日
位置づけ 東方拡大(第五次拡大)
加盟の目的 冷戦後の欧州再統合、民主主義と市場経済の定着、政治・経済の安定化
歴史的意義 東西分断を事実上克服し、EUが全欧州規模の統合体へと発展する大きな転換点


2004年の拡大は、EU史の中でもとくに大きな転換点です。
旧社会主義圏の国々が一斉に加わり、EUは本当の意味で「ヨーロッパ全体」を包み込む存在になりました。


この拡大の背景には、冷戦の完全な終結と、
「分断されていたヨーロッパを一つに戻す」という強い意志がありました。
一方で、経済格差や制度の違いという新たな課題も、このとき一気に表面化します。


2007年加盟国|体制移行の仕上げ段階

国名 ブルガリア、ルーマニア
加盟年月日 2007年1月1日
位置づけ 東方拡大(第六次拡大)
加盟の目的 政治・司法制度改革の定着と市場経済の強化、欧州統合への完全参加
歴史的意義 東欧・バルカン地域の安定化を促進し、EUの影響力を南東ヨーロッパへ拡大した


2007年の加盟国は、民主化と市場経済への移行を進めてきた国々です。
EUにとっては、2004年拡大の流れを制度的に定着させる段階とも言えます。


この時期になると、EUは単に受け入れる側ではなく、
「内部のルールをどう守らせるか」「格差をどう埋めるか」という、運営側の難しさに直面するようになります。


2013年加盟国|バルカン地域の安定化を目指して

国名 クロアチア
加盟年月日 2013年7月1日
位置づけ 西バルカン拡大
加盟の目的 内戦後の国家安定化、民主主義と法の支配の定着、欧州統合への完全参加
歴史的意義 旧ユーゴスラビア諸国として初めてのEU加盟国となり、西バルカン統合の先例を示した


2013年の加盟は、紛争の記憶がまだ生々しいバルカン地域からの参加でした。
ここでの目的は、経済成長だけでなく、地域の安定と再発防止です。


EUに組み込むことで、政治的対立を抑え、長期的な安定を確保する。
この加盟は、EUが「経済共同体」であると同時に、「平和を維持する装置」であり続けようとしている姿勢を、改めて示した出来事でした。


こうして見ていくと、EUの拡大は一貫して同じ理由で進んできたわけではありません。
その時代ごとに、ヨーロッパが何を恐れ、何を優先したのか|加盟史は、その選択の積み重ねなのです。


将来のEU加盟予測

EU加盟交渉を協議するトルコとEU首脳の会談写真

EU加盟交渉を協議するトルコとEU首脳
2002年、トルコのEU加盟交渉開始時期をめぐる協議の場面。

出典:『Yasar Yakis, Recep Tayyip Erdogan, Romano Prodi and Gunter Verheugen in 2002』-Photo by Christian Lambiotte (European Communities)/Wikimedia Commons CC BY 4.0


 


EUは、すでに完成した枠組みではありません。
現在もなお、「これから誰を迎え入れるのか」「どこまで広がるのか」を模索し続けています。


将来の加盟を考えるうえで重要なのは、単なる国数の話ではなく、
政治体制、経済水準、法制度、そして周辺地域の安定といった、複数の条件がどう整っているかという点です。


EUの拡大はスピードよりも、条件と覚悟が問われる段階に入っています。


ここでは、現在のEUが公式に位置づけている国々を中心に、将来の加盟見通しを整理してみましょう。


加盟候補国|加盟へ向けた正式ルートに入った国々

国名 背景 主な課題
アルバニア 西バルカンの欧州統合路線を軸に、制度改革と経済安定を目指してEU接近 司法・行政の改革定着、汚職対策、法の支配の実効性強化
ボスニア・ヘルツェゴビナ 国内統治の安定化と欧州統合を進め、EU標準への制度整備を志向 民主主義と国家機能の改善、法の支配・基本権・行政改革の履行
ジョージア 欧州志向を掲げ、東方近隣政策の流れからEU加盟へ段階的に接近 法の支配・民主主義の定着、政治的分極の緩和
モルドバ 安全保障環境の悪化を背景に、EU統合を国家戦略として推進 汚職対策、司法改革、行政能力とエネルギー安全保障の強化
モンテネグロ 西バルカン諸国の中で早期から加盟交渉を進め、EU統合を成長戦略に位置付け 司法改革と汚職対策の継続、制度運用の実効性確保
北マケドニア 国名問題の解決を経てEU志向を維持し、加盟を国家目標として継続 二国間問題による交渉停滞の克服、国内改革の加速
セルビア 西バルカンの中核国としてEU加盟を掲げ、経済統合と制度整備を推進 法の支配改革とコソボとの関係正常化
トルコ 長期的に加盟交渉枠組みを持つが、近年は関係が停滞 民主主義・法の支配・基本権の改善、EUとの政治的関係修復
ウクライナ 戦時下で欧州統合を最重要路線として明確化し、加盟プロセスを加速 改革の継続(汚職対策・司法改革)と復興、EU基準への適合


加盟候補国とは、EUから正式に「将来の加盟対象」と認められている国のことを指します。
すでにEUとの加盟交渉が始まっており、政治や制度の面で具体的な改革が進められている段階です。


とくに重視されるのは、民主主義がきちんと機能しているかどうか。
加えて、汚職への対策、司法の独立、人権の尊重といった分野も、かなり厳しくチェックされます。
経済成長だけでは不十分で、「EUのルールを長期的に守り続けられるか」が問われるわけですね。


加盟候補国とは、EUに「入りたい国」ではなく、「入る覚悟と準備を試されている国」なのです。


もちろん、候補国になったからといって、すぐに加盟できるわけではありません。
交渉は何年、場合によっては十年以上かかることもあり、国内情勢の変化やEU側の判断によって、進み方には大きな差が生まれます。


潜在的加盟候補国|将来を見据えた準備段階

国名 背景 主な課題
コソボ 独立後、欧州統合を国家目標に掲げ、EUの安定・連合プロセス(SAP)の枠組みで段階的な関係強化を進めている EU加盟国の一部が国家承認していない問題、司法・行政改革の加速、セルビアとの関係正常化


潜在的加盟候補国は、将来的なEU加盟の可能性が示されてはいるものの、 まだ正式な加盟交渉には入っていない国々です。


この段階では、政治的な安定や経済基盤が十分に整っていないケースが多く、
まずは国内改革そのものが最優先課題になります。
EU側も「すぐに迎え入れる」という姿勢ではなく、長い目で関係を築いていくスタンスです。


とくにバルカン地域では、EU加盟がひとつの到達目標として機能しており、
それが民主化や制度改革、さらには地域全体の安定を後押ししてきました。


加盟までの道のりは遠く見えても、「EUを目指す」という方向性そのものが、国の進路を形づくっている。
潜在的加盟候補国は、まさにその途中段階にいる存在だと言えるでしょう。


EUの加盟拡大は、単なる勢力拡大ではありません。
それは、ヨーロッパがどこまで価値観を共有し、責任を分かち合えるのかを試すプロセスでもあります。


将来の加盟国が増えるかどうかは、候補国の努力だけでなく、EU自身がどんな共同体でありたいのか、という選択にも左右されます。
拡大と統合、そのバランスをどう取るのか|EUの未来は、いまも進行形で形づくられているのです。