アリスタルコスの基本情報
生年:前310年
没年:前230年頃
出身:サモス島
死没地:
別名:「古代のコペルニクス」
主張:地動説(太陽中心説)
アリスタルコス(前310年〜前230年頃)は地動説(太陽中心説)を唱えた古代ギリシアの天文学者です。地動説といえば16世紀の天文学者コペルニクス(1473〜1543年)の方が有名ですが、アリスタルコスはその2000年も前に「宇宙の中心は太陽で、地球は太陽の周りを回っている」とする説を唱えており、故に彼は「古代のコペルニクス」とも呼ばれています。
アリスタルコスは天体の動きを非常に細かく観測、惑星の配置まで正確に測量することで、【地球が自転していること/太陽が中心にあること/5つの天体が太陽の周りを公転していること】などを突き止めています。しかし古代ギリシアでは、アリストテレス(紀元前384年〜紀元前322年)の「地球が宇宙の中心に位置し、太陽やその他天体が地球の周囲を回っている」とする天動説が広く受け入れられていたので、この地動説は無視され、忘れ去られていきました。
またヨーロッパでキリスト教が支配的になると、キリスト教的な世界観と矛盾する地動説はタブー視すらされるようになりました。アリスタルコスとコペルニクスの間に2000年もの時間が空いてしまったのは、中世ヨーロッパ社会において、地動説を唱えた学者は宗教裁判にかけられ罰せられるなどしたためです。
アリスタルコスはコペルニクスよりはるか昔に地動説(太陽中心説)を唱えていました。しかし知名度では圧倒的にコペルニクスの方が上です。この違いはどこからくるのでしょうか?これは理論を継承する者がいたか、いないかです。
アリスタルコスの唱えた宇宙観は、古代における常識感覚から外れていたので主流になれず、その説を継承する者もいなかったので、忘れ去られてしまいました。
1800年後にコペルニクスが地動説を唱えた時も、反対論は根強かったですが、コペルニクスにはケプラー、ガリレオ、ニュートンといった、彼の説を支持し普及する科学者がいたので、「地動説といえばコペルニクス」というイメージが固まったのです。とりわけガリレイの本が大ヒットしたのが大きいでしょう。
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