アンコーナの歴史

アンコーナの港

 

アンコーナ(伊:Ancona)は、イタリア中部マルケ州、首都ローマから北北東約200kmに位置する都市です。アドリア海沿いには古い史跡が点在し、教皇庁支配の時代が長かったことから由緒ある教会も多くみられます。

 

アンコーナの成り立ち

紀元前390年頃、古代ギリシア人に築かれた都市「アンコン」に起源を持ちます。「アンコン」とはギリシア語で「肘」を意味し、街の東の港が“肘のように曲がっていた”ことに由来しています。前2世紀以降のローマ時代は海軍基地として利用され、西ローマ帝国滅亡後は、東ゴート王国ランゴバルド王国による支配を経て、東ローマ帝国(ビザンティン帝国)のラヴェンナ総督府の管轄下に置かれました。11世紀以降は独自の通貨や法律を持つ自由都市として、地中海貿易を背景に発展。ヴェネツィアとの覇権争いに敗れたことで停滞期に入りますが、16世紀、教皇領に併合されると、その中心都市として再び栄え始めました。