チェコ文学の特徴や有名な作品

チェコ文学は、チェコ国籍を持つ者、もしくはチェコ語により書かれた文学作品と定義することができます。いまではチェコ文学といえばチェコ語によりかかれた作品がほとんどですが、ハプスブルク家の支配下にあった時代は、ラテン語やドイツ語などでも作品が書かれていました。

 

 

チェコ文学の簡易年表

9世紀

古期教会スラブ語に訳された聖書・典礼書が登場する。このキリスト教関係の文物には、チェコ語の特徴が現れているため、チェコ文学の源流をなしたといえる。

 

13世紀

13世紀末にボヘミアの宮廷で書かれた讃美歌が、チェコ語で書かれた最古の文献とされる。

 

14世紀

年代記や叙事詩をはじめ、チェコ文学の作品が本格的に増え始める。世紀末にはボヘミア貴族を擁護し、王族を風刺するような作品が登場した。

 

15世紀

宗教改革にともなう宗教論争の活発化により、チェコ語も論争に用いる機能的な言語として発展を遂げていく。スイス宗教改革を牽引したフスはチェコ語により、印象的な説教を行ったことで知られる。

 

16世紀

イタリアルネサンスがスイスにも波及し、神を絶対視する価値観から脱した「ヒューマニズム(人文主義)」を主題にした作品が流行する。

 

20世紀

チェコスロバキア共和国の成立により、チェコ文学はいっそうの盛り上がりをみせた。「チェコ演劇」の確立は20世紀における文学的革新の最たる例といえる。またボヘミア出身の小説家カレル・チャペックが「ロボット」という言葉を初めて使用した。

 

チェコ文学の有名作品一覧

  • 『アレキサンドレイス』(14世紀)
  • スミル・フラシュカ『新しい忠告』(14世紀末)
  • 『クラリツェの聖書』(1579〜93)
  • コメニウス『地上の迷宮と心の楽園』(1623)
  • ミルトン『失楽園』(1667)
  • ヤン・ネルダ『小地区の物語』(1878)
  • カレル・チャペック『ロボット(RUR)』(1920)
  • ハシェク『兵士シュベイクの冒険』(1921〜23)