ブラジルは南アメリカ大陸の中で唯一ポルトガル語を公用語としている国です。そしてその背後には、ポルトガルとの歴史的な経緯が深く関わっています。
|
|
|
|
ブラジルがポルトガル語を公用語としている理由を探ると、その起源は、16世紀初頭に遡ります。当時のブラジルはヨーロッパ人にとっては未開の地。しかし大航海時代の1500年にポルトガル人探検家ペドロ・アルヴァレス・カブラルによって「発見」され、以来ポルトガル王国の植民地となりました。
以後、ブラジルは約300年にわたってポルトガルの植民地として存在しました。この期間中に、ポルトガル人入植者たちはポルトガル語を持ち込み、徐々に現地の言語を置き換えていきました。また、教育や宗教、行政などの公的な場ではポルトガル語が強く推奨され、その影響力を強めていったのです。
ブラジルが独立を達成したのは、1822年のことです。しかし、その際も公用語としてポルトガル語が引き続き用いられ、国家の統一性やアイデンティティ形成を後押ししたのです。
ブラジルが公用語としてポルトガル語を採用しているのは、過去のポルトガルによる植民地支配の歴史と、その後の独立後も言語の統一性を保つため、という事情が背後にあります。現在では、ブラジルは世界最大のポルトガル語圏を形成し、その言語文化は多様性と豊かな特色を持つものとなっているのです。
|
|
|
|