
ハンガリーの国土
ヨーロッパのど真ん中──カルパチア盆地に位置するハンガリー。この国では、大陸性気候の影響をしっかり受けながらも、四季がくっきりと分かれていて、それぞれに豊かな自然と暮らしの彩りがあります。このページでは、ハンガリーの四季がどんな表情を見せるのか、気温や降水量、文化との関わりも含めてわかりやすく紹介していきます。
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冬の冷たさが和らぎ、自然も街も一気に動き出すのがハンガリーの春です。
3月になると、昼間の気温は10℃を超える日が増えてきます。4月には15〜20℃にまで上がり、菜の花畑やサクラソウが咲き誇る時期に。大陸性気候らしく、朝晩はまだ冷え込みますが、日中はぽかぽかと春らしい陽気に包まれます。
この季節はイースターに合わせた春祭りが各地で開催され、カロチャ刺繍などの伝統工芸品も観光客に大人気。ワインの新作発表も多く、農村部では農耕の準備が本格化します。
ハンガリーの夏は予想以上に暑く、乾燥した気候が特徴です。
6月から8月にかけては30℃を超える日も珍しくありません。湿度はそこまで高くないものの、日差しはかなり強く、バラトン湖では水遊びを楽しむ人々でにぎわいます。夜は涼しさが戻る日もありますが、都市部では熱帯夜になることも。
ハンガリーの夏といえばパプリカの収穫!また、ワインの産地ではブドウの育成がピークに。ミュージックフェスや野外演劇など、文化イベントも目白押しです。
夏の暑さが和らぎ、空気が澄んでくるこの季節は、まさに実りの秋。
9月中旬からは空気が乾いて透明感が増し、カルパチア盆地の広大な大地が黄金色に染まる風景が広がります。朝晩の冷え込みも徐々に強まり、10月には最高気温が15℃前後まで下がる日も。霧が立ち込める静かな朝もこの時期ならでは。
トカイ地方の貴腐ワイン用ブドウの収穫はこの季節が本番。さらに栗やクルミ、キノコも豊富で、家庭では保存食づくりが盛んになります。各地で開催されるワインフェスティバルも、秋の風物詩のひとつです。
ハンガリーの冬は厳しく、空気は乾燥し、気温は氷点下になる日が続きます。
12月から2月にかけては平均気温が-1〜2℃と、本格的な寒さに包まれます。雪はそれほど多くないものの、凍結や霧氷が見られることも。都市部ではストーブやセントラルヒーティングが必須です。
クリスマスマーケットやスケートリンクが街を彩り、人々はホットワインやグヤーシュ(煮込み料理)で身も心も温めます。また、バラトン湖が凍るとアイススケートや氷上釣りといったアクティビティも楽しめるのが、この時期ならではの魅力です。
こうして見ていくと、ハンガリーの四季ってそれぞれに“しっかり個性”がありますよね。大陸性気候だからこそ生まれる寒暖差が、自然の彩りや人々の暮らしをくっきりと分けているのです。
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