アントニオ・デル・ポッライオーロ作『ヘラクレスとヒュドラ』。ヘラクレスによるヒュドラ退治は「12の功業」のうちの一つとして有名。
ヘラクレスは、ゼウスがミケーネ王の娘アルクメネとの間に作った子供で、半神半人、様々な武芸を極めた剛力の持ち主。ゼウスの正妻ヘラの嫉妬や恨みによる幼少時からの迫害を乗り越え、アルゴス王エウリュステウスに命じられた12の功業を果たすなど、ギリシア神話の神々の中でも、群を抜いて豊富かつ波乱に満ちたなエピソードを持っています。
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ヘラによって狂気を吹き込まれたヘラクレスは、自分と異父兄弟の子を殺してしまいました。しかし正気に戻ったヘラクレスは、贖罪のために、ミケーネ王から課された12の功業に挑んでいき、見事それを果たすのです。その十二の功業や幼い時のエピソードの中には、天体や星座に関わるものが数多くあります。
ゼウスは赤子のヘラクレスに不死の力を与えるべく、眠っているヘラの乳を吸わせるのですが、その時の痛みに飛び起きたヘラはヘラクレスを突き離してしまいます。その時に飛び散った乳が天の川になったとされているため、英語で天の川がMilky wayと表記される由来にもなっています。
ヘラクレスは十二の功業によりレルネー沼に住み着く9つの頭を持つ水蛇ヒュドラを退治しなければならなくなります。ヘラがその際に、ヒュドラに加勢させるべく巨大な化け蟹を寄越すのですが、剛力のヘラクレスはあっさりとそれを踏み潰して倒してしまいます。このヘラクレスによって踏みつぶされた蟹がかに座になったとされています。
現代に生きる私たちの身近なところに、ヘラクレスの物語の欠片が散りばめられているのです。
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