ビスマルク体制の一番の目的は、ヨーロッパにおいてフランスを孤立化させ、封じ込めることにあります。

ドイツ帝国というのは、普仏戦争でプロイセンがフランスを破ることで成立した国ですから、自国に恨みを持つフランスの再起と逆襲を恐れていました。

普仏戦争マルス＝ラ＝トゥールの戦いでフランス砲兵隊に突撃するプロイセン騎兵

そこでロシア、オーストリア、イタリアなど周辺国と軍事同盟（三国同盟、三帝同盟、再保障条約、地中海協定など）を結び、フランスが軍事的にこちらを攻められない、他の強国と手を結べないよう手を回したのです。

しかもビスマルク体制構築のために結ばれた軍事同盟のほとんどが秘密同盟であったため、フランスとのパイプも保ったまま、ドイツ優位の国際状況を構築することが出来ました。