トルコ文学の特徴や有名な作品

トルコ文学は、トルコの領土のアナトリア半島にて、トルコ人によって書かれた文学作品の総称と定義することができます。そしてトルコ文学はイスラム以前、イスラム以後、近現代以降という3つの次期に分けることができます。

 

 

トルコ文学の歴史

イスラム改宗前

トルコでは、「突厥碑文」と呼ばれる8~11世紀頃に突厥文字によって書かれた文字史料が発見されていますが、これは最古のトルコ文学遺跡とされています。

 

イスラム改宗後

イスラム改宗後の作品としては、1069年にトルコ人ユースフに書かれた道徳書クタドクビリクが最古とされます。当時のトルコ人の道徳観念や精神性、思想を知る上で重要な史料として、トルコ文学における記念碑的作品と位置付けられています。

 

近現代

19世紀の改革期(タンジマート期)、オスマン帝国が西ヨーロッパ、とくにフランスをモデルとして近代化を図ろうとする過程で、多くのフランス文学がトルコにもたらされ、トルコ文学に革新が起こりました。

 

20世紀に入ると民族主義が勃興し、トルコ語を簡略にして民衆化しようとする運動が盛り上がります。同時に民族意識を人々に啓蒙するような作品も増えていきました。

 

トルコ文学の有名作品

  • ユースフ著『クタドクビリク(幸福を与える知識)』(1069)
  • マフムード・カシュガリー著『トルコ・アラビア語辞典』(1071)
  • ネバーイー著『詩集』『文人列伝』
  • アフメディー著『アレクサンダー大王伝』
  • シェイヒー著『ヒュスレブとシーリーン』
  • ガーリプ・デデ著『美と愛』
  • ヤシャル・ケマル著『やせっぽちのメメット』(1955)
  • ルファット・ウルガズ著『ハババム教室』
  • フュルーザン著『無料寄宿舎』(1971)『包囲』(1972)
  • トムリス・ウヤル著『絹と銅』(1971)『夏の夢、夢の冬』(1981)
  • オルハン・パムク著『白い城』(1985)『黒い本』(1990)