ローマ神話
ローマ神話とは、古代ローマ人により創作された、12人の神々「ディー・コンセンテス」を中心とした英雄物語のことです。ただしその内容はほぼ「ギリシア神話のコピー」であり、いってしまえば、神の名前をローマ風(ラテン語)に置き換えただけのもの。「ディー・コンセンテス」というのはギリシア神話でいう「オリュンポス12神」にあたり、ゼウス→ユピテル、ポセイドン→ネプチューンといったように、ローマの神々はそれぞれ、ギリシアの神々と対応・同一視されています。
ローマ神話の歴史
古代ローマ人が「天地創造」・・・つまり「世界の成り立ち」について語る固有の神話をほとんど持っていないのはなぜでしょうか?もちろん彼らにも元々土着の伝承はありました。しかしより先進的なギリシア文化の影響を強く受けていく中で、自分たちの信仰する神々をギリシア人の信仰する神々と同一視したがため、もともと持っていた伝承はほとんど放棄してしまったのです。オリジナリティを捨ててでも、優れたものは取り入れる・・・ローマ人らしいといえばローマ人らしいといえ、だからこそ古代ヨーロッパ世界で覇権を握る突出した力を持つようになったのではないでしょうか。
ローマ神話の神々
ローマ神話の主神ディー・コンセンテスとそれぞれに対応するギリシアの神々(オリュンポス12神)は以下の通りです。
- ジュピター⇒ゼウスに相当
- ジュノー⇒ヘラに相当
- ミネルバ⇒アテナに相当
- アポロ⇒アポロン
- マーズ⇒アレスに相当
- ヴィーナス⇒アプロディテに相当
- マーキュリー⇒ヘルメースに相当
- ダイアナ⇒アルテミスに相当
- ネプチューン⇒ポセイドーンに相当
- ケレス⇒デメテルに相当
- ヴァルカン⇒ヘパイストスに相当
- ヴェスタ⇒ヘスティアに相当
ローマの建国神話
ローマ人にも独自の伝承がないわけではなく、ヨーロッパ文明の揺籃「古代ローマ」が誕生するまでの過程を描いたローマ建国神話がまさにローマ人固有の神話といえます。この建国神話によればローマは、狼に育てられたロムルスが、都を建てる場所をめぐり双子の弟レムスとの仲たがいし、闘争の末建国された、とされています。