スペインからみた第二次世界大戦〜中立政策をとったのはなぜ?〜

第二次世界大戦、その名の通り全世界を巻き込んだ壮絶な戦争であり、多くの国々が連合国または枢軸国として参戦しました。しかし、中には参戦を避け、中立を維持し続けた国も存在します。その一つがスペインです。この記事では、スペインが第二次世界大戦で中立政策をとった理由について解説します。

 

 

 

内戦の影響

1936年から1939年までスペインは内戦の渦中にあり、この戦争は社会と経済の両面で国を疲弊させました。内戦の結果、フランシスコ・フランコ率いる右派が勝利し、彼はスペイン全土の支配権を握りました。しかし、内戦による深刻な状況から立ち直るため、新たな大戦への参加は避けるべきと判断しました。

 

政治的配慮

フランコ政権は、内戦中に多くの援助を受けた枢軸国、特にドイツイタリアとの関係を維持したいと考えていました。しかし、それは戦争に参加するという意味ではなく、スペインの安定と経済的回復を優先したいという意図でした。そのため、中立を維持することで、両陣営からの敵意を避けるという政治的配慮がなされました。

 

戦後の見通し

また、フランコ政権は戦争の長期化と結果が不確定な要素を鑑み、戦後の地政学的な情勢に対応するためにも中立を維持することを決定しました。結果的に、この選択はスペインが戦火を避けることを可能にし、戦後の混乱からも比較的免れる結果となりました。

 

このように、スペインが第二次世界大戦で中立を維持したのは、内戦後の疲弊、政治的配慮、戦後の見通しといった複合的な理由からでした。歴史は選択の連続であり、その選択が国家の運命を左右することを、スペインの例は教えてくれます。