モスクワ大公国

 

モスクワ大公国は、現モスクワを首都として、中世時代に繁栄していたロシアの公国です。ロシア帝国および現ロシア連邦の前身国家といえ、15世紀末、250年間にもおよぶモンゴル支配「タタールのくびき」に終止符を打ち、ロシアの独立と統一を達成しています。モスクワ・ルーシとも。

 

モスクワ大公国の場所

モスクワ大公国は現在のロシア、特にモスクワ市とその周辺地域を中心とする地域に存在していました。この地域は13世紀から17世紀にかけてモスクワ大公国として知られ、後にロシアツァーリ国、そして最終的にはロシア帝国へと発展しました。

 

モスクワ大公国の歴史

13世紀後半、ウラジミール大公アレクサンドル・ネフスキーの息子ダニールの所領として成立。クリコヴォの戦い(1380年)でキプチャク=ハン軍に打ち勝ったことを皮切りに、周囲の公国を次々併合し、ノヴゴドロをはじめ、北東ロシアのほとんどがモスクワ大公国の勢力下に組み入れられました。このモスクワの躍進の背景には、ロシア正教会のバックアップも大きく寄与していました。

 

モンゴル支配の終焉

モスクワは13世紀半ばからモンゴル帝国の支配下にありましたが、イヴァン三世(在位1462〜1505年)の代になるとモンゴルへの貢納を停止。そして15世紀末に独立戦争をしかけ、これに見事打ち勝つことで、250年にもおよぶモンゴル支配(タタールのくびき)を終わらせたのです。

 

ロシア・ツァーリ国へ

モンゴル支配脱却後も拡大を続けるモスクワ大公国は、16世紀初め北東ロシアの統一を成し遂げます。さらに1547年、雷帝イヴァン4世(在位1533〜84年)が全ロシアのツァーリ(皇帝)を称することで、ロシア帝国の前身となるロシア・ツァーリ国が成立しました。