第二次百年戦争という語は、特定の戦争を指すものではなく、1689年から1815年までのイギリスとフランスの間の一連の衝突を指します。そのため、この期間を終えた1815年のウィーン会議と、その直前のナポレオン戦争の終結が、一般的には第二次百年戦争の終わりとされています。
戦いが長引いた理由
第二次百年戦争と呼ばれる一連の戦争は、イギリスとフランス間の覇権争いの結果生じたもので、その背景には様々な要因があります。
- 植民地の競争:イギリスとフランスはどちらも大航海時代以降、世界各地に植民地を設けていました。両国はこれら植民地での勢力拡大を図り、貿易を通じて巨大な富を得ることを望んでいました。しかし、その利益を共有することは困難で、相手国の勢力を排除しようとする思惑から、度々対立が表面化しました。
- 宗教的な対立:プロテスタントのイギリスとカトリックのフランスという、宗教的な違いもまた、対立を深める要因となりました。これは特にユグノー戦争や三十年戦争など、宗教改革の影響が強く表れた戦争で顕著でした。
- バランス・オブ・パワー:17世紀から18世紀にかけてのヨーロッパでは、大国間の力の均衡(バランス・オブ・パワー)が重視されていました。このため、一国が他国に対して優位に立とうとすると、他の国々がそれを阻止しようと介入することが常でした。フランスがヨーロッパでの覇権を握ろうとすると、イギリスを始めとする他の国々がこれに対抗しました。
これらの要素が組み合わさることで、イギリスとフランスの間の戦争は何度も繰り返され、長期にわたって続くこととなりました。