紀元前2500年から前2200年頃にかけて、小アジア北西端(現在のトルコ)に栄えたトロイア文明ですが、紀元前1260年頃から前1250年頃にかけ、ミケーネ文明のアカイア人の軍勢が行った小アジア遠征により衰退し、滅んだと考えられています。
トロイア戦争において、トロイア文明の中心地トロイア(イリオス)が陥落する様子を描いた『トロイアの炎上』( Johann Georg Trautmann作、1759〜62)
このアカイア人による侵略戦争はトロイア戦争と呼ばれ、ホメロス叙事詩『イリアス』『オデュッセイア』の中で顛末が語られています。長らく創作だと思われていたのですが、ドイツ考古学者シュリーマンの発掘により、トロイア文明遺跡や戦争の痕跡が見つかり、史実性が立証されているのです。
トロイア文明を滅ぼしたミケーネ文明も、ギリシア民族のドーリア人の侵入を受けて前1200年頃に滅亡しています。これでトロイア文明も含めたエーゲ文明は終わりを告げ、400年の暗黒時代を経て、古代ギリシアはアテナイやスパルタなどが活躍する都市国家社会へと移行していくのです。
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