ヨーロッパで台風やハリケーンが少ない理由

 

ヨーロッパにおいて、日本の台風やアメリカのハリケーンのような暴風雨は、極めて希です。全くないということはありませんが、地理的にヨーロッパまで到達するほどの、台風やハリケーンの元となる熱帯性低気圧が発生することがほぼないからです。

 

 

ヨーロッパで台風が発生しない理由

台風は熱帯の海の上(日射量の多い赤道付近の海)で生まれます。太陽により海面の水が蒸発し、空高く昇っていくとこれが大きな雲を作り、台風のもとになるのです。

 

逆にいえば台風は熱帯地域から離れるほど、風を動かす力が弱くなります。高緯度のヨーロッパにまでたどり着ける大規模な台風なんてそうそう発生しないのです。

 

2000年以降発生した暴風

希に、あらゆる物を吹き飛ばす暴風が発生し甚大な被害が出ることはあります。

 

2008年3月にヨーロッパ中部でハリケーン級の暴風雨「エマ」が発生し13人が亡くなり、2013年10月にはスカンディナヴィア半島やイギリスなど広い範囲で激しい暴風が起こり倒木が相次ぎました。この暴風はデンマーク付近にある非常に発達した低気圧が原因となったそうです。

 

2013年デンマークを襲った暴風雨の動画。倒木どころか街の標識は折れ曲がり、自転車は吹き飛び、工事中の建物は半壊しています。

 

故に、ヨーロッパ各国は、気象情報の発信や災害対策に力を入れています。特に暴風の予報が出た場合、住民への警告や情報提供が行われ、安全確保が徹底されているんですよ。旅行者も、訪れる国の気象情報をチェックし、必要な対策を講じることが大切ですね。