古代ギリシアでは現代と同じくブドウ栽培がさかんであったので、ブドウ果汁を発酵させて製造されるワインは、朝昼晩必ず食卓に添えられるほど日常生活に浸透していましたそして古代ギリシアのワインはドロみが強かったので、ストレートではなく水割りで飲むのが一般的だったのです。
ワインと水を混ぜる際には「クラテール」と呼ばれる大型の甕(かめ)が用いられ、ワインと水の混合比率としては1:3もしくは1:2程度でした。
水で薄めずにそのまま飲む人もいましたが、古代ギリシアの文化ではそういった飲み方は無作法で節度と徳に欠けた行為とされていました。水割りで飲むのが「善良なる市民」の嗜みとされたのです。
古代ギリシアにおいてワインは「お酒」としてというより「飲用水」として飲まれていました。ギリシャ地方は石灰岩土壌が多いので、生水をそのまま飲むと腹下しを起こすことが多く、日持ちするワインが飲用水として飲まれていたのです。
|
|
|
|