ルーマニア文学の特徴や有名な作品

ルーマニア文学とは、ルーマニア語により書かれた文学の総称と定義することができます。ここではルーマニア文学の中世から近代までの歩みを簡単にまとめています。

 

 

ルーマニア文学の歴史

中世

15世紀から16世紀にスラブ語で書かれた宗教文献や典礼書が、ルーマニアの文学作品としては最古の部類とされています。とりわけ16世紀から17世紀にさかんに行われたルーマニア語による宗教書の翻訳により、ルーマニア文学は大きな進展をみています。

 

またモルドバの神学者ドソフテイ(1624〜1693)は、1673年にポーランドにてルーマニア語による初の詩を出版しています。彼はモルダビアの宗教的経典を初めてルーマニア語に翻訳した人物としても有名です。

 

近代

18世紀以降ナショナリズムの盛り上がりにより、ルーマニア人の歴史や言語など民族意識を喚起するような作品が多くなりました。中でも19世紀に活躍したロマン派の詩人・ミハイ・エミネスク(1850〜1889)は保守的民族主義的な作品を多く輩出した作家として有名です。19世紀はルーマニア文学のピークとされています。

 

ルーマニア文学の有名作品

  • A・ルッソ『ルーマニア賛歌』
  • V・アレクサンドリ『悲歌とすずらん』 (1853)
  • V・アレクサンドリ『フィレンツェの花売り娘』
  • V・アレクサンドリ『デスポト王』
  • L・レブリヤヌ『一揆』 (1932)
  • L・レブリヤヌ『絞首台の森』 (1922)
  • T・アルゲージ『ふさわしい言葉』 (1927)
  • T・アルゲージ 『黴 (かび) の花』 (1931)