ルネサンス時代は14世紀から16世紀にかけて西ヨーロッパで勃興した古典文化復興運動です。この時代には科学・文化・政治などあらゆる分野で飛躍的発展がみられ、近代以降ヨーロッパが世界をリードする原動力になりました。
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ルネサンス期の地理学・天文学的発展は、船による長距離航海を可能にし、ヨーロッパ列強がこぞって海外に進出する「大航海時代」の幕開けに繋がりました。大航海時代になると日本へもヨーロッパ人が渡来し、キリスト教や鉄砲がもたらされるなどしたため、ルネサンスの隆盛は日本史へも大きな影響を与えているといえます。
ルネサンスは14世紀にイタリアで開始され、年月とともに中心地をドイツやフランスに移しつつ、17世紀頃まで続きました。14世紀から17世紀にかけての日本の時代区分は以下のようになります。
ルネサンス期の日本の時代区分
日本では、14世紀から16世紀にかけて戦乱の時代である南北朝時代、室町時代、戦国時代が続きましたが、これらの時代にも文化的な発展がみられました。
この時期、日本では武士階級が台頭し、武家文化が栄えました。鎌倉幕府の影響力が強く、禅宗の広がりとともに、禅の思想が芸術や文学に影響を与えました。
南北朝時代は朝廷が南朝と北朝に分かれて争った時代で、社会的な混乱が続きました。しかし、この時期にも文化的な活動は続き、連歌や能楽などが発展しました。
室町時代には、将軍を中心とした幕府の力が強まり、京都を中心に文化が花開きました。茶の湯や庭園、能楽などが発展し、絵画や工芸も高度な技術が生まれました。また、この時期には中国との交流も盛んで、禅の影響を受けた文化が広まりました。
戦国時代は全国的な戦乱の時代であり、多くの戦国大名が勢力を競いました。しかし、この時期にも文化は発展し、茶の湯が広く普及し、茶道の流派が確立されました。また、ポルトガルやスペインとの接触により、鉄砲やキリスト教がもたらされ、日本の戦術や宗教に新たな影響を与えました。
安土桃山時代は、織田信長と豊臣秀吉が日本を統一しようとした時代で、豪華絢爛な城郭や茶室が建設され、豪華な文化が栄えました。茶の湯の大成者である千利休が活躍し、彼の影響で茶道が一大文化として確立されました。
江戸時代初期には、徳川家康による幕藩体制が確立し、安定した時代が続きました。都市文化が発展し、浮世絵や歌舞伎、能楽などが庶民の間で親しまれるようになりました。また、鎖国政策により海外との交流が制限されましたが、長崎を通じてオランダや中国との貿易が行われ、西洋の知識や技術が少しずつ取り入れられました。
ルネサンス期の西ヨーロッパと同時期に、日本も戦乱や変革の時代を経ながら文化的な発展を遂げていました。ヨーロッパの影響が直接的に及んだのは大航海時代以降ですが、ルネサンス期のヨーロッパ文化の発展が後に日本にも影響を与えたことは間違いありません。日本と西ヨーロッパ、それぞれの文化が独自に発展しつつも、時代を超えて互いに影響を与え合ったことは、世界史における重要な要素となっています。
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