フランス人

フランス人

 

『ヨーロッパ史入門|民族編』、このカテゴリーではフランス人についての情報を紹介しています。フランス人とは、大まかにはフランス共和国の国民を指します。彼らの歴史は非常に長く、紀元前のケルト系のガリア人にまで遡ります。古代ローマの支配、フランク王国の成立、そしてフランス革命を経て現在のフランス共和国が形成され、多様な文化や宗教の影響を受けつつ、現在のフランス人のアイデンティティが形成されました。

 

 

 

 

定義と居住地域

フランス人は、一般的にはフランス共和国の国籍を持つ人々を指します。しかし、フランス語圏の国々や世界各地のフランス系コミュニティに居住する人々も、広義のフランス人として認識されることがあります。

 

民族性

フランス人は、洗練された文化や美食を愛し、自由や平等を重視する傾向があります。また、誇り高く、自己表現を大切にする民族性を持っています。

 

言語

フランス人の母語はフランス語です。フランス語はロマンス語族に属し、ラテン文字を使用します。

 

宗教

フランス人の多くはキリスト教の一派であるカトリックを信仰しています。しかし、フランスは世俗主義国家であり、信仰と国家は分離しています。

 

文化

フランスの文化はその歴史的背景から、多様な影響を受けたものとなっています。音楽、美術、文学など、多くの分野でその独自性を発揮しています。特に料理は、世界遺産にも登録されるなど、その豊かさと多様性が評価されています。

 

ヨーロッパ史入門入門|料理編』のフランス料理のカテゴリーもご参照ください。

 

 

 

歴史

民族としてのフランス人とは、フランス語を母語とし、主にフランスに暮らす民族のことで、古代ローマ以前のケルト人(ガリア人)、ローマ人、ゲルマン一派のフランク人の混血が大多数のフランス人の共通祖先となります。

 

古代において現在のフランスにあたる地域は、ローマ人よりガリアと呼ばれており、前1世紀半ばにローマ人に征服された後は、ガリア文化とローマ文化の混合でガロ・ローマ文化が形成されました。このガロ・ローマ文化が、ラテン文化を基礎とするフランス文化の原型といえます。

 

西フランク王国、フランス王国の成立

ローマ帝国が滅亡し、時代が中世に移ると、ゲルマン民族のフランク人がガリアにフランク王国を建設し、ラテン文化やキリスト教といったフランス文化の基礎的な部分を継承・発展させます。フランク王国は西ヨーロッパ全域に勢力を拡大しますが、8世紀になると西フランク王国、中フランク王国、東フランク王国に分裂。このうちの西フランク王国が、フランスの原型となりました。

 

西フランク王国は9世紀末に「フランス王国」となり、14〜15世紀の百年戦争を経てイギリス王家と分裂したことで、「フランス国民」としての意識が形成。さらに18世紀のフランス革命を通して定着した自由・平等・友愛などの価値観が、現在に続くフランス国民の精神的支柱になっているのです。