ドーリア人の国家であるスパルタの王レオニダスを描いた『テルモピュライのレオニダス』(ジャック=ルイ・ダヴィッド画)
ドーリア人もしくはドーリス人とは、古代ギリシア人を構成した主要民族の1つで、ドリス方言のギリシア語を使っていた集団です。前「1200年のカタストロフ」の後、バルカン半島の南下をはじめ、鉄の武器でギリシア本土やペロポネソス半島の先住民族(アカイア人)を駆逐、ギリシア文明を担う都市国家(ポリス)を成立させました。
アテナイに並びギリシアの二大勢力の一角といえるスパルタは、ドーリア人が成立させたポリスです。大量のアカイア人を奴隷(ヘイロータイ)として使役し、強権的な軍国主義体制の下、周辺民族を服従させながら発展を遂げました。なおドーリア人はかつて、ミケーネ文明を滅ぼした民族とも考えられてきましたが、近年この説は疑問視され、ミケーネ文明を滅ぼしたのは海の民であり、ドーリス人の侵入はその後とする説が有力になってきています。
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