ヒッタイト

ヒッタイトとは

ヒッタイトとは、前17世紀ごろアナトリアに成立した古代国家のことだ。鉄器の使用や高度な法典の整備で知られ、古代オリエントに大きな影響を与えた。本ページでは、ヒッタイトの国家形成や技術革新、歴史的意義などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ヒッタイト


ヒッタイトの王は石に命じ、風に記す。
神々は天にあり、法は粘土の上に生きる。


─ 古代史学者・フリードリヒ・デルリッチ(1850 - 1922)


ヒッタイトは前1800年頃から前1200年頃にかけて小アジアで一大勢力を築いていた民族であり、その民族が築いた王国の名でもあります。ヒッタイトに関する記録は楔形文字と象形文字によるものが残っており、前18世紀に同民族による王国が創設され、馬や戦車、鉄の武器により優勢をふるい、多くの民族を支配下におき領土を拡大していたことがわかっています。前12世紀、海洋民族「海の民」からの攻撃で滅亡したと考えられ、これでヒッタイトが独占していた製鉄技術が流出したことで、ヨーロッパは鉄器時代に移行していくのです。


エジプトのレリーフに描かれたヒッタイトの戦車