ワルシャワ条約機構

ワルシャワ条約機構とは

ワルシャワ条約機構は1955年、ソ連と東欧社会主義国が結成した軍事同盟で、NATOに対抗する役割を持った。冷戦期の東側安全保障の中核であった。本ページでは、さらに設立の背景や組織構造などについても詳しく解説していく。

ワルシャワ条約機構


ワルシャワ条約は平和の盾と言われたが、
実際には恐怖と服従の鎖であった。


─ ヴァーツラフ・ハヴェル(1936-2011)


ワルシャワ条約機構は、1955年にソビエト連邦を中心とする共産主義国家によって設立された軍事同盟です。この機構は、西側諸国のNATO(北大西洋条約機構)に対抗するために結成されました。ワルシャワ条約機構には、東ドイツ、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア(1968年に脱退)など、ソビエト連邦の衛星国が参加していました。


この同盟は、冷戦期のヨーロッパの政治的・軍事的な景観を形作る上で重要な役割を果たしました。ワルシャワ条約機構は、メンバー国間の軍事協力と相互防衛を規定し、ソビエト連邦のヨーロッパにおける影響力を維持するための主要な手段となりました。


しかし、1980年代後半の東欧の政治変動とソビエト連邦の崩壊に伴い、ワルシャワ条約機構の重要性は急速に低下しました。1991年に正式に解散し、冷戦の終結とともにその歴史的な役割を終えました。ワルシャワ条約機構は、冷戦時代の国際政治における二極対立の象徴として、ヨーロッパ史において重要な位置を占めています。