ヒューマニズムとは

人間は、自らの理性と良心によって生きるべきであり、
その尊厳は、いかなる権威によっても奪われてはならない。

─ 人文主義者・エラスムス（1466 - 1536）

「ヒューマニズム」は、ルネサンス期のヨーロッパで花開いた思想で、人間の尊厳、理性、個性の重要性を強調します。この思想は、古代ギリシャ・ローマの文化と哲学に着想を得ており、教育、文学、芸術、哲学の分野で大きな影響を与えました。エラスムス、トマス・モアなどのヒューマニストたちは、人文科学（文学、歴史、哲学）の研究を通じて、人間の精神性や道徳的価値を探求しました。
ヒューマニズムは、宗教的ドグマや中世的な思考からの脱却を促し、個人の自由と自己実現の重要性を説きました。この思想は、近代科学の誕生、宗教改革、そして後の啓蒙思想への道を開き、ヨーロッパの文化と思想史において中心的な役割を果たしました。ヒューマニズムは、人間中心の世界観を確立し、西洋文化の基盤を形成する上で重要な貢献をしました。