ヨーロッパの叙事詩紹介:『イリアス』

叙事詩『イリアス』の基本情報
原題
著者 ホメロス
執筆年代 紀元前8世紀頃
言語 古代ギリシャ語
題材 トロイ戦争
構成 24の歌からなる
物語の舞台 トロイとその周辺
原作にした作品 なし(多くの神話や伝説を基に作成)

イリアスとは

『イリアス』は、古代ギリシャ時代の詩人ホメロスによって紀元前8世紀頃に書かれた叙事詩であり、西洋文学の基礎とも言える重要な作品です。この叙事詩はトロイ戦争の一部を描き、特に英雄アキレウスとその怒りを中心に物語は進行します。

 

物語の中心にあるのは、アキレウスが戦争から一時的に引退するという出来事と、その引退が引き起こす一連の結果です。アキレウスは友人パトロクロスの死によって戦争に復帰し、敵のヘクトールを倒すお話なのですが、彼の怒りとその解消が物語の大きなテーマとなっており、英雄の名誉、友情、死、復讐などのテーマを通じて、人間の尊厳と悲劇を描いています。

 

その描写は詩的であり、神々の介入が頻繁に描かれるなど、古代ギリシャの世界観が色濃く反映されているのが特徴です。また、24の歌からなるこの作品は、西洋のエピック(英雄叙事詩)の典型とされ、後の多くの作品に影響を与えています。