叙事詩『オデュッセイア』の基本情報
原題
著者	ホメロス
執筆年代	紀元前8世紀頃
言語	古代ギリシャ語
題材	トロイ戦争後のオデュッセウスの帰郷の旅
構成	24の歌からなる
物語の舞台	地中海の多くの地域
「オデュッセイア」を元にした作品	『ユリシーズ』(ジェームス・ジョイス) 『オデッセイア』(デレク・ウォルコット) 『オデュッセウスの冒険』(リック・リオーダン)など

『オデュッセイア』とは

『オデュッセイア』は、古代ギリシャの詩人ホメロスによって紀元前8世紀頃に書かれた叙事詩で、『イリアス』とともにホメーロス二大叙事詩と呼ばれ、西洋文学の起源とも言える重要な作品です。

 

この叙事詩は、トロイ戦争が終結した後、英雄オデュッセウスが故郷イタカ島に帰還するまでの冒険を描いています。オデュッセウスは帰郷の道中でさまざまな困難に直面しますが、その聡明さと決断力で乗り越えていきます。一方、故郷では彼の妻ペーネロペーが多数の求婚者たちを退けつつ、夫の帰還を待ち続けています。

 

物語は、海神ポセイドンの怒り、キュクロープス（一つ目の巨人）との対決、魔女キルケとの出会い、冥府への下降、セイレーンの歌、スキュラとカリュブディスといった神話的なエピソードを盛り込みながら展開します。そして最終的に、オデュッセウスは自身の王国を取り戻すための戦いを経て、家族と再会します。

 

この叙事詩は、古代ギリシャの英雄観、道徳観、宗教観を垣間見ることができる重要な史料でもあります。また、その芸術的な価値と普遍的なテーマにより、多くの文学作品や芸術作品に影響を与えてきました。