ギリシア神話

ギリシア神話

ギリシア神話とは、古代ギリシア人により創作された、オリュンポス12神を中心とした伝承のことです。主神以外にも様々な神々、人間の英雄も登場し、天地創造や英雄譚の他、何気ない日常話や人間らしい愛憎劇まで、幅広い展開が繰り広げられるのが特徴です。神々は美しい人間の姿をしており、様々な能力の他、嫉妬や憎悪といった人間らしい豊かな感情も持っているため、神々が人間界に介入しては、女性を手籠めにしたり、戦争の種をまいたり、あらゆる諍いを起こすなど、神の個性に応じて話のバリエーションも豊富にあるのもギリシア神話の面白いところです。

 

 

 

ギリシア神話の歴史

前2000年頃ギリシアに侵入したギリシア人が、もともと持っていたゼウス神にまつわる伝承と、ミノア・ミケナイ・トラキアなど先住民族の土着の伝承とを融合・発展させていく中で成立しました。少なからずエジプト神話メソポタミア神話にも影響を受けています。

 

ウィリアム・アドルフ・ブグロー画『ホメロスと案内人』。ホメロスはギリシア神話を初めて体系化した詩人として知られる。

 

そんなギリシア神話は長らく口頭で伝承されてきましたが、前9世紀頃、吟遊詩人ホメロスが、二大叙事詩『イリアス』と『オデュッセイア』として伝承を初めて体系化したのです。次いで前7世紀頃、ヘシオドスが『神統記』『仕事と日々』として体系化しました。

 

ギリシア神話の価値

ギリシア神話は、後世の哲学や歴史学に多大な影響を与え、世界に数ある神話の中でもとりわけ知名度が高い伝承です。詩・戯曲・叙事詩といった数あるヨーロッパ文芸作品の題材になるなど、今や文化史上の重要な財産と位置づけられているのです。

 

ギリシア神話はギリシア文化の骨格を成し、ギリシア文化はヨーロッパ文化の骨格を成しているが故に、ヨーロッパ文化を真に理解する為にはギリシア神話の知識は必要不可欠なものともいえるのです。

 

ギリシア神話の神々

 

ギリシア神話の主な神々はオリュンポス十二神といわれる男6人、女6人で成る神々です。伝承によってこの神々の構成は微妙に異なり、例えば12番目の神はディオニソスであることもあれば、ヘスティアであることもありますし、ハデス、ペルセポネは十二神に含めないのが普通ですが、希に含めることもあります。

 

オリュンポス十二神

 

1.ゼウス:天上の最高神
2.ヘラ:結婚、母性、貞節の女神(ゼウスの正妻)
3.アテナ:知恵・芸術・戦略の女神
4.アポロン:太陽神
5.アフロディテ:愛と美と性の女神
6.アレス:戦を司る神
7.アルテミス:狩猟・貞淑の女神
8.デメテル:大地・豊穣の女神
9.ヘファイストス:炎と鍛冶の神
10.ヘルメス:神々の伝令
11.ポセイドン:海と地震の神
12.ディオニソス:ブドウ酒と演劇の神
12.ヘスティア:炉の女神
∞ハデス:冥界の神
∞ペルセポネ:冥界の女神(ハデスの妻)