バロック建築の特徴・歴史・代表作

バロック建築の特徴や歴史

バロック建築の傑作シェーンブルン宮殿(オーストリア)

 

バロック建築は、古典的なルネサンスの落ち着いたスタイルから大胆に脱却し、情熱的で華麗な設計を取り入れたヨーロッパのアートスタイルです。17世紀と18世紀に栄えたこの建築スタイルは、その豪華さと感情の高揚感から、多くの国々で宗教的・世俗的な建物の中心となりました。そんなバロック建築はどのようにして生まれ、どのような特徴を持っているのでしょうか。

 

 

バロック建築の誕生

バロック建築は、16世紀後半のローマを中心に登場しました。これは、宗教改革によるカトリック教会の危機を乗り越え、信仰を再燃させるためのカウンター・リフォーメーションの時期に重なります。カトリック教会は、教会の中心となる建築を通じて信者の心を打つことを求めました。結果、華麗で感情的なバロック建築が生まれました。

 

バロック建築の主な特徴

動的なデザイン

バロック建築は、動きとエネルギーを強調します。波打つようなファサードや、曲線を多用した設計が特徴的です。

 

装飾の豪華さ

彫刻やフレスコ画、豪華な金箔など、ディテールにこだわった装飾が随所に見られます。

 

感情の表現

内部空間は、訪問者に強烈な感情を呼び起こすよう設計されており、神聖さや感動を追求しています。

 

 

 

これらの特徴は、宗教的な建物だけでなく、宮殿や邸宅などの世俗的な建物にも影響を与えました。バロック建築は、フランスやスペイン、中央ヨーロッパなど、ヨーロッパ全体に広がりを見せました。

 

バロック建築は、ヨーロッパのアートと建築の歴史において、一つの大きな転換点を示しています。その華麗で感情豊かなデザインは、人々の心を引き付け、多くの信者や王侯貴族を魅了しました。現代でも、この建築スタイルはその美しさと洗練された技術で人々を魅了し続けています。バロック建築を通して、私たちは人々の感情や価値観、そして当時の社会背景を感じ取ることができるのです。