プロテスタントから紐解くヨーロッパ史

プロテスタントから紐解くヨーロッパ史

プロテスタントは16世紀の宗教改革から生まれた新しいキリスト教の潮流だ。カトリックと対立しながら、ヨーロッパの政治・経済・文化に大きな変化をもたらした。本ページでは、ヨーロッパの宗教対立や社会構造、近代思想を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

プロテスタント


プロテスタントとは、神との間に仲介を置かぬ勇気であり、
信仰の名のもとに思索と良心を武器とした人間の姿である。


─ 神学者・パウル・ティリッヒ(1886 - 1965)


プロテスタント」は、16世紀初頭に始まったキリスト教の改革運動から生まれた宗派群を指します。この運動は、当時のカトリック教会の権威主義、贖宥状販売などに対する批判から始まりました。特に、マルティン・ルターによる「95ヶ条の論題」の掲示は、改革運動の象徴的な出来事とされています。プロテスタントは、聖書のみを最高の権威とし、個人の信仰に重きを置く点でカトリックと異なります。この運動はヨーロッパ全土に広がり、宗教的、社会的、政治的な大きな変化をもたらし、プロテスタント諸派の形成につながりました。これはヨーロッパ宗教史において重要な転換点となり、多様なキリスト教の流れを生み出したのです。