
ロシアの国土
「ロシアってヨーロッパ?それともアジア?」──これは多くの人が一度は疑問に思うテーマですよね。国土の広さは世界最大、でも文化は西洋っぽいし、地理的にはアジアにも大きく広がってる。結論から言うと、ロシアは“ヨーロッパとアジアの両方”にまたがる国。でもその分け方には、ちゃんとした地理的な基準と、文化的な背景があるんです。このページでは、ロシアがどのように地域分類されているのか、ヨーロッパ部分とアジア部分の違いをわかりやすく解説していきます。
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緑色地域:ヨーロッパ 黄色地域:アジア
まずは「どこからがヨーロッパ?どこからがアジア?」という地理上の線引きから見ていきましょう。
ユーラシア大陸の中で、ヨーロッパとアジアを分ける境目とされているのがウラル山脈とウラル川、そしてカスピ海北岸です。この線を基準にすると、ロシアの西側(モスクワやサンクトペテルブルクなど)はヨーロッパ、東側(シベリア一帯)はアジアということになります。
実は、ロシアの国土の約4分の1しかヨーロッパ側にありません。でも驚くことに、人口の約7割以上がこのヨーロッパ部分に集中しているんです。つまり、面積ではアジアに広がっていても、人の暮らしや都市機能は圧倒的にヨーロッパ寄り、ということなんですね。
では文化や国際関係の面では、ロシアはどっちの「顔」をしているのでしょう?
ロシア正教を信仰し、スラヴ系民族が多数を占めるロシアの文化は、もともとビザンツ帝国の影響を色濃く受けてきました。アルファベットもキリル文字で、ラテン系ではないにせよ、精神的には「西洋の一員」としての意識が強いと言われます。
政治的には微妙な立ち位置。かつてはG8にも参加していましたが、現在は西側との関係が冷却化。とはいえ、NATOやEUと連動するヨーロッパ的な構造との関わりは、完全に切り離されているわけではありません。言ってみれば、「西側を意識する東側国家」という、やや複雑な立場にあります。
では、国土の大部分を占めるロシア東部、いわゆるシベリアや極東ロシアは、どんな顔をしているのでしょうか?
ロシアのアジア部分──つまりシベリア以東は、永久凍土やタイガ(針葉樹林)が広がる雄大な大地。ここには天然ガスや石炭、鉄鉱石などの資源がゴロゴロ埋まっています。人は少ないですが、経済的には非常に重要な地域です。
ウラジオストクなどの極東地域は、地理的には完全にアジア。日本、中国、韓国といったアジア太平洋諸国と直接つながる地域であり、ロシアのもう一つの“顔”ともいえるエリアです。アジア外交や物流の拠点として、今も注目され続けています。
このように、ロシアは「ヨーロッパかアジアか」という問いに、ハッキリ一言で答えられない国なんです。地理的にはアジア寄り、でも文化と人口はヨーロッパ寄り──この“二面性”こそが、ロシアという国の最大の特徴なのかもしれませんね。
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