バルト海はヨーロッパの歴史の中心的な役割を果たしてきました。古代から中世、近代にかけて、多くの国々がバルト海の支配を巡って戦い、その結果、ヨーロッパの政治や経済の形成に大きく影響を与えました。この海域の歴史は、国際的な交易や文化交流の場としての側面と、地政学的な緊張や争奪戦の舞台としての側面を持って...
バルト海
バルト海はヨーロッパ北部に位置し、スカンジナビア半島とヨーロッパ大陸に挟まれた内海です。カテガト海峡、スカゲラク海峡で北海と、白海・バルト海運河で白海と通じており、古来より北ヨーロッパにおける重要な海上交易路となっています。
古代におけるローマの影響は限定的で、8世紀からはヴァイキングの活動拠点に、13世紀からはハンザ同盟、ドイツ騎士団をはじめとするドイツ民族が進出し、17世紀にはスウェーデンが海上覇権を確立しています。
18世紀になると、大北方戦争に勝利したロシアが、北海の海上覇権をスウェーデンから奪取し、ロシア帝国の成立に繋がっています。そして19世紀、帝国主義の台頭とともに軍事的緊張も高まっていき、20世紀の二つの大戦では制海権や沿岸の領有をめぐり激しい戦闘が行われています。
戦後もまた東西冷戦の最前線に立たされることで軍事的緊張が海を支配しましたが、ソ連崩壊後にようやく平穏が訪れ、バルト海諸国理事会やバルト三国の連携による秩序維持が始まり現在に至っています。
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