トロイア文明

トロイア文明

トロイア文明(トロイ、トロイヤ文明とも)は古代ギリシア最古のエーゲ三大文明の1つで、エーゲ海を挟んでギリシア本土の対岸にある小アジア北西部(現トルコ西部)に栄えたとされています。「イリオン」という別名も持ちます。

 

 

トロイア文明の発見者

トロイア文明遺跡の発掘者として知られるハインリヒ・シュリーマン(1822 - 1890)

 

トロイアの古代遺跡の発掘者はドイツの考古学者シュリーマンです。シュリーマンは幼少期に読んだホメロス叙事詩の『イリアス』『オデュッセイア』に感銘を受け発掘の信念を抱き続けていたようです。

 

トロイア文明の滅亡

トロイア戦争の発端となったとされる「パリスの審判」を描いた絵

 

紀元前2600年〜紀元前1200にかけてダーダネルス海峡における海上貿易を軸に栄えましたが、トロイア戦争によって衰退。前13世紀にはペロポネソス半島を中心に勢力を拡大していたミケーネ文明により滅ぼされてしまいました。

 

トロイア戦争とは

トロイア文明は、ギリシア最古の詩人ホメロスの叙事詩『イリアス』で描かれたトロイア戦争の舞台です。トロイア戦争は、トロイアの王パリスが、スパルタ王の妻ヘレネに恋をしてトロイアへ連れ去ってしまったことが発端と伝えられています。

 

トロイア戦争において、トロイア文明の中心地トロイア(イリオス)が陥落する様子を描いた『トロイアの炎上』( Johann Georg Trautmann作、1759〜62)

 

トロイア戦争についてはあくまで神話の話なので、どこからどこまでは史実なのかは不明です。構成民族も不明で文字資料も発掘されていないこともあり、トロイア文明の存在自体に懐疑的な声もあります。