ヨーロッパの語源

ヨーロッパの語源(名前の由来)とは

ヨーロッパという名前の由来は、ギリシャ神話に登場する女性「エウロペー」にさかのぼる。フェニキアの王女であった彼女の名が、大陸全体を指す言葉へと転用された。本ページでは、ヨーロッパという語の起源や神話的背景、歴史的意義などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

「ヨーロッパ」の語源


ヨーロッパとは、ゼウスの欲望によって生まれた名である。 それは、理性の文明の始まりが、衝動にあったことを示している。


─ カール・ケレーニイ『ギリシアの神話』(1951)


ヨーロッパ(漢語では欧羅巴、中国語では歐洲と表記)の由来は、ギリシア神話に登場するフェニキアの王女・エウローペー(ラテン語:Europa)にあるという説が最も有力です。ギリシア神話のゼウスは花を摘んでいるエウロパを見て一目惚れ。白い雄牛に変身し、エウローペーをクレタ島へ連れ去ってしまいます。そして子供をこさえ、その子がクレタ王となってヨーロッパ最初の文明「ミノア文明(クレタ文明)」を築いたと伝えられています。


『エウロペの誘拐』ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作


なお日本語での「ヨーロッパ」は、戦国時代末~江戸時代初期に伝わったポルトガル語のEuropa(エウロパ)が「えうろつは」と表記され、エウロッパと発音されるようになったことに由来しています。


また木星の第二衛生は「エウロパ」と呼ばれていますが、この呼称もフェニキアの王女エウローペーにちなんでいます。エウロパは分厚い氷に覆われた惑星で、氷下の大海に生命が存在する可能性が指摘され、近年注目を集めています。